なぜマンションなどの共益費は家賃と別にしたほうが良いの?

共益費や管理費は家賃に含めると問題も起こりやすくなる

共益費と管理費はなにが違うのか

今回のテーマは「共益費」です。

アパートやマンションなどに限らず、多くの物件では家賃とは別に“共益費”や“管理費”などが設定されており、どちらも物件の共用部の管理や維持のために入居者(借主)から大家さん(貸主)へと支払われるものです。なかには「共益費ゼロ」という物件もありますが、これは共益費を入居者から頂かないというわけではなく家賃のなかに含まれているということになります。

共益費を家賃とは別にするべきか、それとも共益費を含めた家賃で募集をしたほうがよいのか悩んでいる大家さんもおられるのではないでしょうか。しかし家賃に含めてしまうと様々な問題が出てくるので、できれば共益費と家賃は別々にするほうがよいでしょう。その理由についてご説明します。

1.共益費と管理費はなにが違うのか?

共益費と管理費はどちらも同じ意味で使われることが多く、それほど大きな違いはありません。あえて厳密に分けるなら下記のようになります。

1-1.共益費の意味とは?

共益費とはアパートやマンションなどの共用部分を維持管理するための費用です。シェアハウスやアパートなどでは水道光熱費が含まれていることもあります。

たとえば階段や廊下、エレベーター、浄化槽のように、住民が共用で使うスペースや設備にもメンテナンスや清掃費、電気代などがかかっています。また築年数が経つにつれ設備も老朽化していくわけですから、いずれはエレベーターや給水ポンプの交換なども必要になりますが、これらは100万円以上かかることも珍しくありません。事前に積み立てておかなければ費用を支払えないということにもなりかねないので、共益費として各入居者が毎月少しずつ負担し積み立てます。

1-2.管理費の意味とは?

共益費は共用部分の維持管理のための費用ですが、それに対して管理費とはより大きなものも含めての維持管理費です。大規模マンションなどでは管理人やコンシェルジュなどが常駐していることもありますが、このような人件費なども含めたものです。

そのため大規模マンションなどでは「管理費」と言われることが多く、小中規模のマンションやアパートなどでは「共益費」とされていることが多いようです。本記事では「共益費」に統一してご紹介していきます。

2.共益費はどのように決めるとよいのか?

共益費をいくらにするかは、まず共用部の清掃代などを含めた1ヶ月でかかる基本的な費用を求め、ここにポンプ交換費用など特別な出費を加えた金額を出します。その金額を住戸の面積に応じて各戸数で分担するように計算します。たとえば同じマンションのなかに1Rと2LDKがあるような物件もありますが、維持管理コストは当然1Rのほうが安くなるので、単純に総戸数で割るのではなく面積も考えなければなりません。

また、共益費が低すぎるとポンプ交換などの突発的な修繕に対応できなくなりますし、逆にあまりにも高すぎると入居者が決まりにくくなるので、周辺の家賃相場などを調べながらバランスをみて決めるとよいでしょう。

3.共益費を家賃に含めると空室が長引くこともある

共益費を家賃に含めると空室が長引くこともある

共益費を家賃に含めると下記のような理由から入居者募集に悪影響がでることもあります。

  • 家賃が高くなる ⇒ 物件情報サイトで検索されにくくなる
  • 敷金礼金が高くなる ⇒ ゼロゼロ物件に流れやすくなる

まず第一に共益費を家賃に含めてしまうと家賃が高くなることが問題です。実際には数千円ほどの差しかなかったとしても、家賃が7万円の部屋と6万7,000円の部屋とでは入居者に与える印象は大きく変わります。

間取りや立地などが同じ条件の部屋があれば、家賃7万円よりも6万7,000円のほうがお得に感じることが多いのです。もちろん入居者のターゲット層にもよりますが、学生や新社会人など若いかたであれば家賃をできるかぎり抑えたいと考えることが多いので、共益費と家賃は別々にするほうがよいでしょう。

3-1.共益費を含めると敷金礼金まで上がってしまう

次に敷金礼金ですが、これらは「家賃1ヶ月分」というように家賃をベースに決めるため、もし共益費を家賃に含めてしまうと敷金礼金までもが高くなります

昔は「敷金礼金2ヶ月」という物件でも入居者が見つかることもありましたが、今は「ゼロゼロ物件」といわれるようなものも増えてきているため、敷金礼金が高いものは敬遠されやすくなるのです。毎月数千円から数万円ほどの共益費でも、家賃に含めるかどうかで運営に大きな影響を及ぼすこともあるため、共益費は家賃とは別にすることが良いでしょう。

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