地方の空き家

コンパクトシティ化の意味とこれからの不動産投資の注意点

進む地方の人口減少で不動産投資が大きく変わる

「コンパクトシティ化」という国策が急ピッチで進められています。これは人口減少や高齢化が進むなかで住宅や産業、行政機関を中心市街地へ集約させようとする政策です。

コンパクトシティ化が進めば、郊外の医療、教育、行政サービスなどは街の中心地にあつまり、郊外はさながらゴーストタウンのように活気が無くなってしまう恐れがあります。地方物件を探す際は、今後も賃貸需要が見込めるエリアに絞るなど条件を厳しくする必要がありそうですね。

1.なぜコンパクトシティ化が行われるのか

 コンパクトシティ化の意味とこれからの不動産投資

高度経済成長期以降、マイホームや大型ショッピングモールなどは郊外に建てられました。郊外に人が集まれば、次に小売店や外食産業、医療、教育、行政などもできるでしょう。中心地の地価が高騰したことや車社会の発展によって、郊外へと人やサービスが移動したのです。

しかし今や少子超高齢化によって地方を中心に人口が減っています。政府や自治体の財政悪化なども重なり、これまでのように広範囲に行政サービスを提供することが難しくなりました。そこで人やサービスなどを郊外から中心地に集め“コンパクトシティ化”しようとする動きが出たというわけです。

日本全国には「過疎地域」といわれるように人口が著しく減少し活力が低下しているエリアも目立ちます。これからも地方から都心へと人やモノ、金、情報などが流れ、地方と都心との二極化は進むでしょう。そうなれば消滅する地域が増える恐れがあります。「人口減少問題検討分科会」によれば「2040年には全国の約半数の市区町村が消滅する可能性がある」とされていますが、消滅する前になって慌てるのではなく、早い段階でコンパクトシティ化を進めなければなりません。

2.地方で不動産投資をするなら都市中心を狙えばよいのか

首都圏の不動産価格が高騰していることから、地方へと目を向けるかたもおられます。もしこれから地方のアパートなどを購入する際は、中心市街地に絞って探すなど対策しなければなりません。工場や大学が近くにあり、従業員や学生などが多く入居している賃貸では、移転によって空室率が一気に悪化することもあります

ただ全ての地方が危険というわけではありません。一部の地域では大幅な法人事業税減税を行い企業誘致を進める自治体もあるようです。いまのところ効果はあまり無いようですが、移転が多くなれば従業員の移動雇用促進などで賃貸需要が高まる可能性もあるでしょう。

3.95%もの減税で企業誘致を狙う自治体もあるが反応は薄い

なぜコンパクトシティ化が行われるのか

長野県や富山県は本社を地方に移転させた企業に対し、法人事業税を大幅に減額しましたが、それでも大半の企業は二の足を踏んでいる状態です。

  • 地方から東京へ移転:約7,800社
  • 東京から地方へ移転:約5,700社

ご覧いただいているとおり過去10年間で東京から地方へと移転した企業より、東京へと移転した企業数のほうが多くなっています。なんと上場企業の約3,600社のうちおよそ半数は本社が東京にあり、いまだ東京の企業集積度は日本一となっているのです。仕事を求めて地方から東京へと人が移動するのも不思議ではありません。

国も“東京一極集中”を解消しようと2015年に「地域再生法」を改正し、東京23区から地方へ本社を移転する企業の税制優遇を進めましたが、これまでのところ大きな変化はないとのことです。地方のコンパクトシティ化や活性化にはまだ課題が多いといえるでしょう。

活性化は不動産投資家にとって重要なポイントです。もし人が増え活気が出れば、物件の空室が埋めやすくなるだけでなく、売却して利益を出すこともできるでしょう。ただし過疎化が進めば、空室は増え、売却しようとしても買い手が見つからず売却できないという事態にもなりかねません。だからこそ多くの投資家は地方や郊外ではなく東京23区などを狙っているのです。

コンパクトシティ化がスムーズに進むかどうかは政府や自治体の政策によるところが大きいですが、これほどまでの減税をしても効果がそれほどないところをみると、やはり地方より都心での物件探しがリスクも低いといえるでしょう。

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