中古の投資物件の危険

都市再生特別措置法とは?人口減少とコンパクトシティ化の動きについて

不動産投資にも大きく影響する「都市再生特別措置法」

都市再生特別措置法とは

2014年8月に施行された「都市再生特別措置法」が今年に一部改正されました。

これはコンパクトシティ化に深く関わるもので、地方都市などで「人が住むエリア」と「人が減るエリア」に分け、都市機能を維持しようとするものです。当然、賃貸経営に大きな影響が及ぶと考えられ、融資についてもエリアによってはローンが組めなくなるということも考えられます。

たとえば今年2月、全国で初めて大阪府箕面市が「都市再生特別措置法」に基づく「立地適正化計画」を策定したことが話題になりました。そして同市を皮切りに続々と立地適正化計画作成が行われ、2016年7月末の時点では289団体が具体的な取り組みを行っています

この動きは不動産投資家にとって今後の物件購入や売却時の大きな判断基準になることは間違いないでしょう。

※参考:国土交通省「立地適正化計画作成の取組状況」

1.都市再生特別措置法とは

東京都都心部などの一部エリアを除き、地方都市などでは急激な人口減少が見込まれています。また大都市でも高齢者の急増は避けられないでしょう。

人が減れば自治体の税収も減りますが、福祉予算などは増大します。

そこで都市機能を集約するようにコンパクトなまちづくりを行い、持続可能な都市経営を行えるようにするため「都市再生特別措置法」が施行されたのです。この都市再生特別措置法にもとづき「立地適正化計画」が作成されます。

具体的には住宅や医療・福祉・商業などの施設などを集約し、公共交通を再構築しながらコンパクトな街づくりを進めるというものです。

1-1.「人が住む街」と「捨てる街」に変わる

コンパクトシティ化が進めば“人が住むエリア”と“寂れたエリア”というように二極分化されることになります。

たとえば過疎化が進み空き家が点在しているエリアなどは「捨てる街」に分類され、医療施設や社会福祉施設などは「住む街」へ移転されます。もし所有する物件が「捨てる街」に入れば、物件価格が下がるだけでなく、融資が降りずに売却しづらくなるということも考えられるでしょう。

地方都市や郊外にある収益物件をご検討されている方は、その物件がどちらのエリアにあるのかを重要事項説明書などで確認しておくなどでリスク対策することが大切です。

これまでも本コラムでは地方や郊外での不動産投資のリスクについてお伝えしてきました。

1-2.居住誘導区域にならなかったエリアでの規制とは

立地適正化計画によって居住誘導区域(人が住むエリア)に指定されなかったエリアでは、下記のような一定規模以上の住宅等の建築は事前に届出が必要になります

Q11:居住誘導区域外において、届出の対象となる行為はどのようなものですか?

A:以下の開発行為と建築等行為です。
(開発行為)
・3戸以上の住宅の建築目的の開発行為。
・1戸又は2戸の住宅の建築目的の開発行為で、その規模が1,000㎡以上のもの。
・住宅以外で、人の居住の用に供する建築物として条例で定められたものの建築目的で行う開発行為。
(建築等行為)
・3戸以上の住宅を新築しようとする場合。
・人の居住の用に供する建築物として条例で定められたものを新築しようとする場合。
・建築物を改築し、又は建築物の用途を変更して住宅等とする場合。

※引用:国土交通省「立地適正化計画の作成に係るQ&A」

収益物件をお持ちの方のなかには売却することも視野にいれて物件を買い進めているかたもおられるかと思います。

しかし居住誘導区域外になれば、それは人口減少が深刻化すると見込まれているということですので、価格の大幅な下落が予想されるだけでなく、需要もない、買い手も見つからないということにもなりかねません。

2.2050年の人口増減はどうなっているのか

人が住まない場所にどのような住宅を建てても需要はありません。1億円でアパートを新築しても、入居者がいなければ劣化が進み、急速に価値は下がります。

また、国土交通省による「20150年の人口増減状況」をみると一目瞭然ですが、一部の大都市を除き人口は大幅に減少すると予想されています

不動産投資では地方での高利回りを狙う投資方法や、東京23区内で安定した賃貸経営を目指す方法など様々な戦略がありますが、これからの人口増減や金融機関の融資姿勢などを考えれば、大都市に絞った物件探しがよいかもしれませんね。

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