定期借家契約とは?普通借家契約との違いとメリット

定期借家契約とは“期間を決めた”借家契約です

賃貸物件を探していると契約書に「定期借家契約」や「普通借家契約」などと書かれています。今回はこの二つの違いと、定期借家契約のメリットをお伝えします。

簡単にいえば、定期借家契約では契約期間満了でのみ賃貸契約が終了するというもの。シェアハウスのように数ヶ月~1年ほどの短期間入居がおおい賃貸では定期借家契約にしているところが多くなっています。

入居者保護の色が濃い「普通借家契約」

普通借家契約の特徴

日本では、入居者保護の傾向が強く貸主の立場が弱いという図式がなりたっています。これは戦時中につくられた出兵した兵士の生活を守るための法律の名残ですね。たとえば家賃滞納や深夜に騒ぐような入居者がいても、正当な理由がなければ賃貸借契約を解除することはできません。

家賃を払わない入居者がいると、利回りが圧迫されたり集金の手間がかかったりするので貸主としては早く退去してもらい、他の入居者をいれたいと考えるもの。しかし、一般的には催告をしても3ヶ月程の滞納があった場合にようやく契約を解除することができるとされているのです。

これは貸主の立場が弱く入居者保護の色が濃い「普通借家契約」でよく起こる問題。さんざん家賃を滞納されたあげく、退去してもらうために家賃の6ヶ月分と引越し費用、敷金礼金の全額返却をした大家さんもいるとのこと。このような問題は決して珍しいことではありません。

普通借家契約のメリット・デメリット

アパートやマンションの多くが普通借家契約になっています。入居者にとっては契約期間がおわっても、更新料を払うことでその物件に住み続けることができるというメリットがある反面、お隣さんの騒音に悩まされて管理会社にクレームをいれても注意程度しかされず、その後も騒音が続くなど根本的な問題が解決しないというデメリットもあります。

騒音トラブルは高確率で遭遇する問題です。音の感じ方は人それぞれなので解決が難しく、深刻化すると問題のない優良入居者が退去するばかりか犯罪が起こることも考えられるでしょう。後述しますが「モンスター入居者」が生まれやすいという点も心配されます。

入居者と大家さんの立場が対等な「定期借家契約」

定期借家契約の特徴

定期借家契約とは入居者と大家さんが“対等”な立場で期間や家賃などを決めることができる賃貸借契約です。

契約期間中であれば入居者保護により一方的な解約などはできませんが、期間満了したあと、もし問題のある人だったときは契約を更新しないことで退去させることができ、優良な入居者なら双方の合意のもと再契約し、それまで通り入居してもらうことができます。

これにより優良な入居者を保護できるだけでなく、悪質入居者を退去させ新しい入居者をいれることも簡単になります。悪質入居者のいない快適な住環境を提供することで、結果的に空室を埋めていくことができる。これが「定期借家契約」の最大のメリットでしょう。

たとえばマイホームを建てたものの転勤になり家を貸すというとき、契約期間を決めておくことで戻ってきたときの入居もスムーズにできますよね。定期借家はあまり知られていませんが、優良入居者と貸主のどちらにもメリットのある契約方法なのです。

(※定期借家契約には再契約が可能なものと、期間が終了すれば退去となるものがある。)

犯罪、恐喝。身近に潜むモンスター入居者

クレーム対応

モンスター入居者という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

これは部屋を犯罪に使したり家賃を踏み倒したり、入居後すぐに激しくクレームをつけ始め、大家さんから退去費用を受け取り退去するような入居者のことです。残念ですが、日本のように入居者の立場が強い普通借家契約では、モンスター入居者が生まれやすくなります。

クレームだけならまだ良いほうかもしれません。なかには部屋で危険ドラッグを作り、壁や柱に成分が染み込んでしまったケースや、駐車場などの共用エリアに倉庫を作られたケースもあるとのこと。このようなモンスター入居者はほかの優良入居者に迷惑をかけることも珍しくありません。

モンスター入居者からの精神的・金銭的な負担はかなりのもので、自主管理をしている大家さんや管理会社を悩ませる問題です。普通借家契約では到底モンスター入居者に対抗できません。過去に裁判で争った事例をみても、入居者側に有利な判決がでることが多々あります。これからの日本では「定期借家契約」にすることで被害を抑え、入居者の皆さまに快適な住環境を提供することが大切になるのではないでしょうか。

管理の手間が増えるので個人での管理は難しい

定期借家契約のデメリットは手続きが煩雑になり管理の手間が増えるということ。

まず、普通借家契約のように口頭での契約はできません。かならず書面を交付して説明し、公正証書などの書面による契約を結びます。また、契約期間が終了する1年~6ヶ月前までに入居者へその旨を伝える必要があります。

定期借家契約は、悪質入居者への抑止力となるのでクレーム対応などは減ると考えられますが、そのほかの手間がかかるので保有している物件数が多いと自主管理は難しいでしょう。

何回の違反があれば再契約をしないのかなどルール決めも難しいので、管理は「定期借家契約」のノウハウをもつ管理会社に任せることをオススメします。

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