敷金の返還トラブル

原状回復費をめぐるトラブルと費用負担の範囲について

敷金の返還をしない、とトラブルになるケースが多い

原状回復や敷金をめぐるトラブル

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では下記のように定められています。

原状回復とは
原状回復を「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義し、その費用は賃借人負担としました。そして、いわゆる経年変化、通常の使用による損耗等の修繕費用は、賃料に含まれるものとしました。

つまり現状回復とは入居者が借りた当時の状態に戻すことではなく、壁紙が太陽光などで自然に黄ばんでくるといった経年劣化による修繕は貸主(大家さん)負担になるということです。

もちろん明らかに通常の使用では考えられないような消耗や、清掃をしないことで通常より消耗が広がっているものなどは借り主に原状回復の義務があると定められています。下はガイドラインに掲載されているもの。

国土交通省「原状回復」

これによると経年劣化でできたAは貸し主の負担で修繕。そして借り主に責任がある「B」と「A(+B)」は借り主が原状回復の義務を負うとされています。トラブルを避けるためにも退去時のチェックは入居者と確認をしながら費用について話しあいましょう。

現状回復費は誰がどこまで負担するのか

賃貸住宅の敷金、ならびに原状回復トラブル」には、敷金や保証金の返還をめぐって 国民生活センターへと寄せられた相談事例がのっています。

2年半入居した賃貸アパートを、2カ月前に退去したが敷金返還がされなかった。返還を求めているが、不動産業者に先延ばしされる。対処法はあるか。

約10年間住んでいたマンションを退去したところ、保証金が返金されず、原状回復費用として約15万円を請求された。交渉したところ原状回復費用は減額された。保証金を返金してほしい。

2010年には16,298件もの相談があり、実際にはその何倍もあるでしょう。本来であれば自然発生的なものの修繕費用は大家が負担するものですが、実際には敷金や保証金から差し引き、足りなければその分も請求してトラブルとなるケースも多々あります。

敷金のトラブル

ただ「家賃滞納などの問題がなければ敷金は原則、入居者に全額返還」となっていることを忘れてはなりません。借り主へ請求する費用は慎重に見極めましょう。

また、最近では礼金や敷金のない“ゼロゼロ物件”も多くなっていますが、これも退去者へのクリーニング代請求などでトラブルとなっているケースが報告されています。ゼロゼロ物件のなかには、契約時に「退去時は室内清掃費用●●円を支払うものとする」というように書かれていることも。

また、敷金をいれておけばうっかり振込忘れていたときでも安心ですが、ゼロゼロ物件の場合はただちに厳しい措置がとられることもあります。貸主にとっても滞納が続けば損失はおおきいので、退去とまではいかなくとも早い段階で対応していきましょう。

家賃滞納の対処方法

基本的に家賃に現状回復費が含まれている

経年劣化や通常の消耗などを修繕するための費用は賃料に含まれています。もし借り主が退去するとき全ての費用を払うとなると、借り主側の負担があまりにも大きくなると考えられています。これも国土交通省のガイドラインにて記載されているのでチェックしておきましょう。

とくに築古のアパートやマンションなどは家賃や敷礼ゼロにするなど、著しく価格を下げて入居者を募集していることも多いですが、修繕費を考えずにいると赤字経営になりかねません。

中古物件の購入を考えているひとは利回りだけでなく賃料設定が妥当かどうかなど厳しくチェックしましょう。このほかにも「敷金の全額返還について」でも重要なチェックポイントをお話しています。

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