瑕疵物件のリスク

築古は要注意?デッドクロスで失敗しないための基礎知識

デッドクロスを知らずにいると失敗する危険もあります

株式や不動産など投資をしていると耳にすることも多い「デッドクロス」という言葉。どちらも同じ言葉ですが、株式投資では“売買タイミングを図るシグナル”として使われており、不動産投資では“減価償却費と元金返済のバランスが逆転した状態”を表しているので少し意味が違います。

不動産投資ではデッドクロスに陥ると黒字倒産リスクが高まるだけでなく、次の融資にも影響するため注意しなければなりません。難しい言葉ばかりが出ていますが、ゆっくりと順番に見ていきましょう。

今回はデッドクロスの意味や、デッドクロスによるリスクを回避する方法などをご紹介します。

1.不動産投資での「デットクロス」の意味を理解しよう

デッドクロスの意味と対策

デッドクロスとは簡単にいえば「経費にできる部分が小さくなって、手元に現金が残りにくい状態」です。

まずは不動産投資の節税効果について少しだけ振り返ってみましょう。不動産投資で経費にできる項目には下記のようなものが挙げられます。

建物の管理費清掃、設備の保守管理にかかる費用など
修繕積立金マンションの大規模修繕などへ向けた積立金
税金固定資産税、印紙税、不動産取得税、事業税
管理代行手数料サブリース手数料 など
保険料火災保険、地震保険など
借入金利息ローン返済の利息分
修繕費畳や壁紙の張替え、壁の塗装など
その他交通費、通信費、税理士への手数料など
減価償却費

ローン返済の利息分減価償却費などを経費として計上できるため、税務上の不動産所得を少なくできるのです。しかも減価償却費は実際にお金が出ていくわけではないが経費にできるため、手元に残るキャッシュよりも申告所得が少なくなり、その結果、所得税や住民税を節税できることになります。

しかし減価償却費は永遠に計上できるものではありません。またローンの組み方によっては、当初は“利息部分”のほうが“元金部分”よりも多いものの、やがて利息が小さくなり元金が多くなるという逆転現象が起こります。(※注)

デッドクロスとはこのように、減価償却費などの「お金が出ていくわけではないけど経費にできるもの」より、ローンの元金返済のような「実際にお金が出ていくのに経費にできないもの」が多くなった状態を指します。

(※注)末尾に記載している番外編にて“元金均等返済方式”と“元利金等返済方式”との比較表を掲載しています。

2.デッドクロスはなぜ危険なの?築年数が古いものは要注意

デッドクロスが起きているということは、節税効果が薄れ課税額が増えているということです。また、経費にできないローンの返済額が増えることも難しい問題です。デッドクロス物件を持つことで帳簿上は黒字になっているにもかかわらず、出ていく現金が多くなるため次の物件を購入する際の融資審査にも影響することが考えられます。

デッドクロスが起こるタイミングは物件や融資期間などによって変わりますが、たとえば築年数の古いものなどは償却期間が短くなるため、早い段階でデッドクロスを迎えるでしょう

築古の中古物件などは価格面で人気がありますが、デッドクロスを考えると築古物件を一つ購入したとしても、そこからの家賃収入だけを頼りにサラリーマンを早期リタイアすることは難しいといえます。デッドクロスの危険を知らないかたは、とりあえず買える物件を探すというスタイルが多いかもしれませんが、すでに本コラムをご覧頂いているかたは不動産投資では一棟目の物件をしっかりと見極めて購入することが成功のカギを握っていることをご理解いただけていることでしょう。

3.デッドクロスを回避する方法とは

デッドクロスを回避する方法は下記のようなものが挙げられます。

  • ローンを繰り上げ返済する
  • 元金均等返済を利用する
  • 購入時の自己資金を増やす
  • キャッシュが潤沢なときに納税資金を積み立てる
  • 追加で物件を購入する(減価償却を増やし節税効果をうむ)
  • 物件を売却する

これ以外にも「ローンを借り換えて融資期間を伸ばす」といった方法が考えられますが、そのときの年齢や年収などに左右されるため、慎重にシミュレーションを重ねなければなりません。

しかし、デッドクロスがいつ訪れるのかは収益計算である程度は予測できるため、その前に物件を売却するなどの対策が可能です。知らずにいれば大きなリスクですが、事前に知識をつけ収益をシミュレーションすることでデッドクロスなどのリスクを回避しながら不動産投資を行えます。

3-1.地方より東京23区内の不動産を狙ったほうが良い理由

いずれ不動産を売却するとしても、どのエリアの物件を持っているかによって価格に大きな差が開くことがあります。

立地で変わる資産価値

たとえば過疎化が進み、需要が下がっていく地方の土地は、売値が大幅に下落することも考えられますが、その一方で他府県からの人口流入が目覚ましい東京23区内のような資産価値の高い土地は売却時に価格が大きく下落するリスクを抑えられると考えられています。

たとえ建物部分の価値が(税務上は)ゼロになったとしても、土地に劣化などありません。資産価値の高い土地を保有することで、更地にして売却などもしやすいですし、買い手が見つかりやすいでしょう。東京23区内での新築不動産投資をお考えのかたは、無料セミナーへとお気軽にご参加ください

4.番外編:元金均等返済と元利金等返済を比較してみよう

金融機関から融資をうけるとき、返済方法は下記の二つから選択することになります。金融機関によってはどちらか一方のみの取り扱いとなるため、事前にしっかりと確認しておきましょう。

表をみると一目瞭然ですが、元利金等返済では年数が経つほどにローンの利息部分が減り、経費として計上できる部分が減ることが伺えます。

元利均等返済
(単位:円)
毎月の返済額元金毎月返済額に
占める元金割合
利息部分毎月返済額に
占める利息割合
借入金残高
1年目86,49334,14639.5%52,34760.5%19,596,190
5年目86,49338,80244.9%47,69155.1%17,845,488
10年目86,49345,52552.6%40,96847.4%15,317,684
15年目86,49353,41361.8%33,08038.2%12,351,911
20年目86,49362,66772.5%23,82627.5%8,872,281
25年目86,49373,52585.0%12,96815.0%4,789,769
合計31,137,40320,000,00011,137,403
元金均等返済
(単位:円)
毎月の返済額元金毎月返済額に
占める元金割合
利息部分毎月返済額に
占める利息割合
借入金残高
1年目107,25855,55551.8%51,70348.2%19,333,340
5年目100,14755,55555.5%44,59244.5%16,666,700
10年目91,25855,55560.9%35,70339.1%13,333,400
15年目82,37055,55567.4%26,81532.6%10,000,100
20年目73,48155,55575.6%17,92624.4%6,666,800
25年目64,59255,55586.0%9,03714.0%3,333,500
合計29,626,58520,000,0009,626,585

表:住宅金融支援機構(借入金2,000万円、固定金利3.2%、返済期間30年でのケース)

元金部分と利息部分とのバランスが逆転するタイミングは、融資期間や額などによっても変わるため一概には言えませんが、この逆転したタイミングで売却を検討するかたもおられます。詳しくは下記をご覧ください。

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