不動産投資の減価償却とは

節税効果の高い物件かどうかは減価償却で決まる

減価償却費の意味がわかると物件選びで失敗しにくくなる

不動産投資について書籍などを読んでいると「減価償却費」や「耐用年数」という言葉がでてくることがあります。実はこれらは物件選びでの重要なポイントになるものなので、しっかりと意味を理解しておかなければなりません。

これが分かっていると「RC造マンションと木造アパートならどちらが節税効果が高いのか?」ということも見えてきます。減価償却は不動産投資の成否を分けるといってもいいほど大切なポイントです。

詳しくみていきましょう。

減価償却費の意味ってなに?節税できる理由とは

不動産投資での減価償却費の説明

建物や車などモノは時間が経つにつれて少しずつ老朽化し、価値が減ります。減価償却とは減った“償却資産”を経費に計上できるというものです。ただし土地についてはどれほど時間が経とうとも価値は償却しないので、減価償却できません

減価償却費は不動産投資で節税をするうえで外すことのできない重要な経費のひとつです。よく「魔法の費用」などと言われることもありますが、これは実際にはお金が出ていくわけではないのに、会計や税金上では経費として認めてもらえるということから言われているのでしょう。

この減価償却費を費用に計上することで、不動産収入を圧縮し節税できるようになります

減価償却費を計上できる期間は決まっている

魔法のような費用ですが、減価償却費を計上できる期間は「法定耐用年数」で決まっており永久に使えるものではありません。

耐用年数とは、減価償却費を計算するために木造やRC造などの建物のつくりや用途などで決められています。たとえば中古物件のなかに築30年の木造アパートなどもありますが、これは耐用年数22年をオーバーしているため税務上の価値はゼロとなるのです。築古物件は価格が安いので魅力的ですが、節税効果を得られる期間が極端に短くなるので、購入する前によく考える必要があります。

少し難しくなりましたが、まずは減価償却費を計上できる期間や額は耐用年数に左右されるということを覚えておくとよいでしょう。

耐用年数は構造によって大きく変わる

法定耐用年数は木造やRC造など建物の構造や用途によって年数が大きく変わります

資産の耐用年数一覧表

国税庁 – 耐用年数(建物・建物附属設備)より

新築の木造住宅ならば22年、RC造なら47年とされており、その間ならば経費として計上できます。もし節税効果を高めたいかたは償却期間の短い木造物件を購入するとよいでしょう。

なぜ木造は節税効果が高いのか?

RC造の47年とくらべて木造は22年と耐用年数が短いということは、木造のほうが年間で経費にできる減価償却費が大きいということでもあります。年間の経費が多ければ、それだけ利益が減ることになるため、節税効果が高くなり手元にのこるお金が多くなるのです。

RCは確かに長い間経費として計上できますが、木造と比べると1年間あたりでの節税効果は小さくなります。そのため節税を目的に不動産を購入されるかたは、木造物件を選ばれることが多いのです。

耐用年数とは物理的寿命とは違います

もちろん耐用年数の22年が過ぎたからといって建物が寿命を迎えるというわけではないのでご安心ください。あくまでも税務上の計算のために定められているものです。建物はしっかりとメンテナンスを施すことで40年50年と長く家賃収入を生み出してくれる資産となります。

耐用年数オーバーの築古アパートなどは買ってもいいのか?

耐用年数超えの物件のリスク

収支や融資期間などに大きく影響するので、物件を探すときは減価償却費(耐用年数)がどれほど取れるのか、融資期間は何年までとれるのかなどを考えながら選ぶ必要があります。

たとえば築40年の木造アパートなどは耐用年数22年をオーバーしているので建物減価償却期間は4年になります。

500万円で購入したなら4年間で償却するため、1年あたりの経費が大きくなり、4年間は大きな節税効果を得られるでしょう。そのため築古物件はすでに複数の物件を所有しており、不動産収入が高いかたが節税する際などにオススメです。

ただし、4年を過ぎると経費が大幅に下がるため税金が増える点に注意しなければなりません。また融資がおりにくくなるため、現金で購入する投資家が現れるのを待つということも考えられます。

初心者には突発的な修繕費の発生などの予想が難しい

ただ一つ目の物件としてはどうかといえば、建物の税務上の価値がゼロとなっているばかりか、家賃収入は低いのに対して設備の故障や修繕などで出ていくお金が大きくなるため、しっかりと収支をシミュレーションしておかなければ失敗する危険が高くなります。

最初のころはどのような費用がかかるのか、修繕費や広告費などはどれほどかかるのかなど分からないことが多いかと思います。そのような中で成功させるにはある程度のノウハウと知識が必要になる築古物件を購入することはあまりオススメできません。

融資期間が短くなるので毎月の返済額が大きくなる

ほかにも気をつけるべき点はあります。たとえば耐用年数をオーバーしているので融資期間が短くなり、毎月の返済額が大きくなることもあるということです。

もしその物件が空室率が高いなどの問題を抱えているなら家賃収入は少なくなりますし、減価償却費を経費に計上できる間までは良いとしても、その期間が終わればキャッシュフローがマイナスに突入する「デッドクロス」へと突入する恐れがあるので注意しなければなりません。

新築と築古物件ではかかる労力がまるで違う

なかには5,000万円の築古アパートを買って利回り10%で運用すると毎月500万円の収入でローン返済は10年後、というシミュレーションで築古物件を選んでしまうかたもおられるかもしれません。しかし実際に購入してみると、場合によっては新築物件よりも労力がかかる割に家賃収入は少ないということも考えられます。

  • 退去後の家賃低下や度重なる修繕費の発生
  • 周辺の新築・築浅の競合物件と戦うための設備投資にかかる費用
  • 築年数の経過や人口減少による空室率の上昇
  • 取得後数年で減価償却がとれなくなり、税金アップ

築古物件には多くの魅力がありすでに不動産経営の経験があるかたにはオススメなのですが、税金や空室対策、出口戦略などの知識やノウハウが重要になります。「物件価格の安さと利回りの高いさだけを見て購入する物件を選んでしまうと失敗する」と言われることがあるのは、減価償却や融資期間などの大切なポイントを無視しているからなのです。

減価償却費だけでなく固定資産税も安くなる木造の魅力とは

木造は減価償却を早くとれるだけでなく、固定資産税が安いなどのメリットもあります。木造の固定資産税は安くなっており、同じ床面積のときRC造では木造より1.5倍も税金が高くなります。RC造は耐用年数が長いので固定資産税も高いまま。減価償却だけでなくこのような部分でも木造とRCとでは違うことを十分に理解しておかなければ損をしかねません。

最初は分からないことが多いので、どうしても物件を探すときには価格や利回りを基準に探してしまいやすくなります。しかし不動産投資を本当に成功させるには、固定資産税や減価償却についてもチェックしておく必要があります。

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