区分所有と一棟投資

区分所有マンションの出口戦略は選択肢が少ない

今回は区分所有マンションの出口戦略について考えてみます。不動産でいうところの出口とは「売却」のことです。

物件を購入したあと賃貸にだし20年30年と長期にわたって持ち続けるかたがおられる一方で、ある程度の期間運用して投資額を回収した頃に売却し、利益を確定させるかたもおられます。これはどちらが正解ということはありません。

不動産投資を始める目的は人によって違いますから、たとえば「年金代わりに持ち続ける」のも「売却益を元手に規模を拡大したい」というのも、どちらも正しいのです。そのため「なによりも出口戦略が重要だ」ということではないのです。

しかし、先のことは誰にも分からないものです。たとえば年金代わりに持ち続けようと考えていても、いずれ不動産を相続することになる方が売却することもあるかもしれません。そのようなとき、購入した物件によっては売却が難しく、売るに売れないという事態に陥るケースもあります。今は売るつもりがないとしても出口について知識をつけておくことはとても大切です

1.区分所有マンションの出口戦略は選択肢が少ない

区分所有マンションの出口戦略

区分所有マンションとはマンション一棟ではなくその中にある一戸を購入するものです。数百万円からでも売りに出されているので小規模から始めたいかたなどに人気がありますが、いざ物件を選ぶとなれば区分は出口戦略の手段が狭まるということを頭の隅にいれておき、慎重に検討しなければなりません。

具体的にイメージしてみましょう。もし貴方が区分所有マンションのオーナーだった場合、高値で売るためにどのような対策をとるでしょうか?

おそらく「そのまま売却する」という意見が多いかと思います。実際に区分は一棟とは違って個人の意思でできることが限られているため、出口戦略が非常に限られてしまうのです。

区分は売却しようとしても建物の評価のみの価格になるため、投資した金額以上の評価額になることはほぼありません。加えて年数が経つにつれ建物の資産価値は下がります。

1-1.管理組合の合議制で決まるため制限がある

区分所有の出口戦略

ごく普通のマンションでも50や100戸に分かれているので、一つの建物に多数の所有者がいることになります。このため、売却を見据えてエントランスなどのデザインを変更しようとしても個人の意思では決められず、管理組合の合議制で決まります

一棟物件ならば自分の意思で対策できるため、区分に比べて自由度が高くなります。たとえば壁や天井を抜いて内装を新しくし、その分高値で売ることもできますし、建物を取り壊して更地にし売却することも可能です。

1-2.タワーマンションは相続税対策としての活用が難しくなる恐れあり

なかには相続税を抑えるために現金を不動産に変える方もおられます。たとえば資産が億単位の富裕層の方などが注目していた「タワーマンション節税」などは正にそうですね。これは階層が上がるに連れて“市場価格”と“相続税評価額”との乖離が大きくなることを活かした節税方法でした。このようなタワーマンション投資では、長期保有ではなく相続したあとにすぐ売却して換金する方法を選ぶかたも少なくありません。

しかし階層の違いで価格が変わるのでは不公平だとして、高層階の税負担を大幅に増やす動きも出てきています。今後はタワーマンションへの需要が減る恐れがあるということです。

売却するためには買い手がいなければ成り立ちません。タワーマンションは、その特性から買い手も資産家などの限られた人になります。このような方々が売却したいと思った時に現れる保証はないため、「売りたくても売れない状態」に陥り、場合によっては大幅に値下げしなければ売れないということも起こる可能性があります。

1-3.新築の区分所有マンションの売却リスクとは

区分所有マンションのなかでも新築のものは慎重に検討を重ねる必要があります。立地が良い、人気の高いマンションなどは例外もあるのですが、多くの場合は売却時に価格が大幅に下がってしまうためです。購入するときには新築でも売却時には中古ですから、どれほど築浅の物件であろうと購入時よりも値が下がることは珍しくありません。

2.人口と需要のバランスを見ながら物件を選ぶことが重要!

区分所有マンションの出口戦略

ここまで区分の難しさについてお話してきましたが、すべての区分マンションが売却しづらいというわけではありません。たとえば空室待ちが出るほどの人気マンションならば売却する際にも買い手を見つけやすいでしょうし、人気のある駅付近のマンションなども高値で売却できる可能性はあります。大切なのは、物件をしっかりと見極めて購入するということです。

地方ならばコンパクトシティ化がされているエリアのなかで、競合との差別化をしやすいものを選んだり、なにか付加価値のあるものを選ぶなどで空室リスクをある程度回避できます。売却する際にも買い手が見つかる可能性は高くなるでしょう。また、東京のように今後も人口増加が見込まれている場所などもオススメです。家賃収入での利回りも大切ですが、まずは人口と需要のバランスを見ながら物件を選んでみてください

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