北海道での不動産投資のリスク

札幌の利回りが低下!なぜ雪国での不動産投資は失敗するのか

地方投資はハイリスク・ローリターンの時代に突入か?

不動産投資への注目度が上がり物件価格が高騰しています。そして今、首都圏にくらべて高い利回りが期待できるということで地方の不動産を購入されるかたも多くなっています。

たとえば札幌市には数年前まで利回り15%や20%という中古物件もごく普通にありました。しかし首都圏の不動産投資が加熱したことで価格が高騰し、より安い価格のものを求めるかたは地方へと流れています。

かつては高利回りが魅力だった地方不動産がいまや10%を切るものも目立つようになっており、その利回りは首都圏の水準に近づいているのです。

地方では都心にくらべて過疎化による空室リスクが高いですが、15~20%などの高利回りで運用し10年ほどで投資額を回収したのち売却するといった戦略をとりやすかったところが魅力でした。しかし今はそれも難しくなっています。また、低い家賃設定や高額な広告費、雪国ならではの修繕費や維持費(とくに除雪費)などを考えると、利回り低下は深刻な問題です

1.札幌の利回りが都心に近づいている

日本不動産研究所によると札幌での不動産投資が加熱し、ビジネスホテルの利回りが6%と過去最低を記録したとのことです。

不動産投資熱が札幌に波及している。日本不動産研究所が24日発表した2016年4月の不動産投資家調査で、札幌市中心部のホテルとマンションの期待利回りが過去最低となった。投資が先行した首都圏の一部で下げ止まりの兆しが出る中、旺盛な観光需要が期待される道内への視線は熱を帯びている。

※引用:日本経済新聞 2016年5月25日掲載

ビジネスホテルやオフィスビルだけでなく、アパートやマンションにも加熱の影響が出ており、利回りの低下がおきています。それでも「10%あれば十分では?」と思うかもしれませんが、雪国ならではのリスクがあることも考えなければなりません。

2.雪害や除雪費を知らずに購入して失敗するケースもある

北海道での不動産投資のリスク

不動産投資ではその地域特有の問題まで考えなければなりません。とくに雪国に住んだことのないかたが物件を購入すると、思いもよらない支出があることに気づき、やがてローン返済ができなくなり失敗することもあります

たとえば凍結を防ぐために道路の下に湯を張り巡らせる「ロードヒーティング」も雪国ならではのものですが、これはお湯を沸かすための灯油代がかかります。凍結によって水道管が破裂すると修繕費が高額になりますし、除雪を外注すると費用もかかります。

2-1.家賃5カ月分も!?地方の広告費は高額になる

地方の広告費は高額になる

広告費はエリアによって相場が大きく変わり、一般的に賃貸需要が低く物件数が多い“激戦エリア”になるほど高くなります。

都心では入居者募集にかかる広告費は家賃の1ヶ月となっていることが多いですが、地方では3~5ヶ月分ということも珍しくありません。なかには「合計10万円から」というケースもあるとのこと。もし家賃が2万円ならば5ヶ月分の家賃収入が広告費になるということですから、地方では広告費がどれほど大きな割合を占めているのかが伺えます。

それでも空室率が低い(賃貸需要が高い)エリアならばよいでしょう。しかし北海道の平均空室率は20.8%と首都圏にくらべ相当に高くなっており、さらに今後は人口減少によって空室が増えると思われます。さらに激戦となれば、広告費の値上げもあるかもしれません。

2-2.地方と首都圏とでは全く違う!ローリスク投資なら首都圏がよい

ローリスクな不動産投資を始めるには

地方では数ヶ月分の広告費支払いや値上げの可能性があり、ほかにも人口流出による空室率アップ、雪国ならではの修繕維持コストなどがかかることを考えると、10%程度の利回りでは手残りがほどんどない状態になる恐れがあります。今後も建物の老朽化が進むにつれて設備故障が起きやすくなりますし、修繕費は高額になっていくでしょう。首都圏や地方で利回りが下がっているものの、そこに潜むリスクは全く異なるのです

「いざとなれば物件を売却してローン返済」という出口戦略をとろうにも“賃貸需要の低下”や“建物の老朽化”を考えると、売却をしようとしたときにはローンの残債を下回ってしまい、売るに売れない状態になる恐れもあります。そのため地方の不動産投資ではリスクに備えて自己資金を多く用意したり、10年ほどで投資金額を回収できるほどの高利回り物件を持ったりとリスク対策を考える必要があるでしょう

3.いまや「地方物件で高利回り投資」が難しくなっている

首都圏と地方との利回りが近づいているなか、それでもなぜ地方の不動産を狙うかたがいるのかといえば大きな理由は価格です。金融機関から受けられる融資額は年収や勤続年数などの“属性”が大きく影響するため、首都圏と比べて価格の安い地方を選ぶかたは少なくないでしょう。

激安不動産投資でセルフリフォームの危険

また、一昔前までは「ローリスク・ハイリターン」を狙える物件が多かったこともあり、そのイメージのまま買い進めてしまうかたもおられるようです。

「築古物件を購入してDIYすれば高い利回り」
「周辺家賃相場より高いが入居率がよいから購入して良い」
「大学や工場が近いから需要はある」

これらの方法で成功しているかたもおられますが、たとえば下記でご紹介している無料電子書籍でもご紹介しているように、滋賀県では大学のキャンパス移転によって数千人の学生が街から姿を消し、アパートやマンションでは空室が一気に増えました。いまは大学の都心回帰が増えていることは紛れもない事実です。

さらに有名企業であっても大規模な派遣切りを行っています。人口減少時代には人やモノ・金・情報が都心に集まるのは自然な流れですから、企業や工場で働くかたをターゲットにしている場合は、リストラや工場撤退などで空室が増える危険もあります。

すでにローン返済が終わっているかたや、自己資金を豊富に用意できているかたはいつでも撤退できるものの、これから地方でフルローンを組み賃貸経営を始めようとされるかたは今一度シミュレーションを慎重に重ねる必要があるでしょう

4.富裕層やメガ大家さんなどが首都圏を狙う理由

富裕層やメガ大家さんなどが首都圏を狙う理由

3,000万円~5,000万円ほどの購入しやすい価格帯のものは投資家が増えたことで競争が激しくなっており、利回りや価格、立地などの好条件のものを見つけることが非常に難しくなっています。

しかし価格が上がるにつれライバルが減るため、より良い不動産を購入しやすくなります。たとえば富裕層のかたやメガ大家さん、一流企業で働くサラリーマンのかたや医師のかたなどは高価格帯のものでも購入しやすいため、リスクを避けて首都圏に狙いを定めることができるのです。

日本では「稼げる土地」と「稼げない土地」というように二極化するのは避けられません。相続時にも稼げない土地から稼げる土地へと資産を組み換えるかたもおられるようです。不動産投資では「人口減少」をしっかりと見据え、対策できるかたが成功するといっても過言ではありません。

この記事の後によく読まれています

ページトップ