土地活用

出口戦略のカギを握る「建ぺい率」と「容積率」とは?

知らずにいると違法建築になり売却が難しくなることも

容積率や建ぺい率という言葉は不動産投資や注文住宅の建築などでよく聞くものです。建築できる建物の大きさは「容積率」と「建ぺい率」によって規制されています。これを知らずにいると、場合によっては違法建築となる場合もあるので注意してください。

不動産投資は大きなお金が動きますから、知らなかったでは済まされません。まずは容積率や建ぺい率についてチェックしてみましょう。

1.容積率と建ぺい率の意味を知ろう

容積率と建ぺい率の意味

容積率や建ぺい率をとくに気にするタイミングといえば、建て替え増改築更地にして売却するときなどです。建ぺい率と容積率の制限を超えるものは建てることができないということが最大のポイントです。

失敗例としては、たとえば都心に駅近の物件をお持ちだったかたが、バルコニーを改築したことで違法建築となってしまい、本来なら高額で売れる可能性が高かったにも関わらず大幅な値下げになるケースなども考えられます。

1-1.建ぺい率とは

「建ぺい率」とは敷地面積に対する建築面積です。たとえば敷地面積が100㎡に対して下記のように建ぺい率が定められているとき、建築面積はこのようになります。

  • 建ぺい率20% ⇒ 建築面積20㎡
  • 建ぺい率50% ⇒ 建築面積50㎡
  • 建ぺい率100% ⇒ 建築面積100㎡

つまり建ぺい率が50%ということは(建ぺい率=建築面積÷敷地面積)なので敷地の50%を使えるということです。もし土地が300㎡だった場合、1階部分の床面積は150㎡までにして建築しなければなりません。また、各用途地域毎に建ぺい率が定められているため、かならず用途地域を確認するようにしましょう。

1-2.容積率とは

次に「容積率」ですが、これは簡単にいえば延べ床面積についての制限のことです。「容積率=延べ床面積÷敷地面積」で求められ、建物はこの容積率の制限内で建築しなければなりません。

たとえば容積率が200%で土地が100㎡とすると、その土地には延べ床面積200㎡までの建物を建てられるということですね。たとえば「1階100㎡×2階建て」や「1階50㎡×4階建て」なども200㎡に収まりますが、建ぺい率によって床面積に制限がかかります

◆延べ床面積とは?
延べ床面積とは建物の各階の床面積の合計のことで「述べ面積」とも言われます。たとえば床のない“吹き抜け”部分があるものや、バルコニーの先端から2メートルまでの部分などは床面積には含まれません。ただし地下室は3分の1、駐車場は5分の1までの面積を延べ床面積から差し引くことができるようになっています。冒頭でお伝えした失敗例ではバルコニーを改築したことで容積率オーバーとなったのです。

2.容積率の制限について

商業地では200~1,300%などもあり、都市計画法や建築基準法で地域別に定められており、都市計画で定められる容積率の上限は“用途地域”ごとに決まっています。具体的な地域の容積率については各行政庁で調べることができるので確認しておきましょう。

用途地域の種類内容建築できる建物例建ぺい率(%)
(下の範囲から都市計画で具体的な数値を指定)
容積率(%)
(下の範囲から都市計画で具体的な数値を指定)
第一種低層住居専用地域低層住宅の専用地域戸建、低層マンション、教育施設、銭湯、併用店舗30、40、50、6050~200
第二種低層住居専用地域小規模な店舗の立地を認める低層住宅の専用地域「第一種低層住居専用地域」以外の小規模店舗30、40、50、6050~200
第一種中高層住居専用地域中高層住宅の専用地域マンション(4階建て以上)、大学、病院、中規模のスーパー30、40、50、60100~500
第二種中高層住居専用地域必要な利便施設の立地を認める中高層住宅の専用地域「第一種中高層住居専用地域」以外のもの、1500㎡以内の店舗30、40、50、60100~500
第一種住居地域大規模な店舗・事務所の立地を制限する住宅地のための地域大規模店舗、ホテル、飲食店、遊技場50、60、80100~500
第二種住居地域大規模な店舗・事務所の立地を一部制限する住宅地のための地域マンション、大規模オフィス、パチンコ店、自動車教習所50、60、80100~500
準住居地域自動車関連施設沿道サービス業と住宅が調和して立地する地域自動車関連施設50、60、80100~500
近隣商業地域近隣住民のための店舗、事務所などの業務利便の増進を図る地域近隣住民のための店舗、オフィス60、80100~500
商業地域店舗、事務所などの業務利便の増進を図る地域デパートや企業オフィス優先80200~1300
準工業地域環境の悪化をもたらすおそれのない工業の利便の増進を図る地域環境悪化の恐れのない工場。(住宅や商店など多様な建物も可能)50、60、80100~500
工業地域工業の利便の増進を図る地域工業の業務の利便の増進を図る。(大学や病院を除く住居は可能)50、60100~400
工業専用地域工業の利便の増進を図るための専用地域工業の業務の利便の増進を図る地域。どのような工場でも可能。(住宅、店舗、学校などは不可)30、40、50、60100~400

ちなみに訪日外国人旅行者の増加や五輪開催による宿泊施設不足を解消するため、国交省は宿泊施設の容積率を緩和する方針を固めています。

もし容積率が緩和されれば、ホテルや旅館を新築したり建て替えたりする際により多くの客室をつくることも可能となるでしょう。しかし実際には各自治体の判断に委ねられているので、たとえ国が規制を緩和しても自治体が改定しないという姿勢をとることも考えられます。

このように容積率や建ぺい率などは改定されることもあるため、最新の情報はかならず各行政庁などで確認するようにしてください。

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