住宅診断の説明義務化と不動産投資

住宅診断の説明義務化は不動産投資に影響するのか?

住宅診断(ホームインスペクション)の義務化とは

中古住宅を売買する際に雨漏りなどの家屋の痛みについて専門家が調査する住宅診断(ホームインスペクション)について、不動産仲介業者は売買の仲介契約時に売主や買主に説明するよう義務付けられます。これは2018年に施行される予定です。

住宅診断の説明義務が不動産投資にどのような影響を及ぼすのか、気になるかたも少なくないと思いますので、ここで簡単にチェックしておきましょう。

1.住宅診断の義務化は2018年から始まる

住宅診断の説明義務化と不動産投資

中古住宅の購入には雨漏りやシロアリ被害など様々なリスクがあります。もし購入したあとで多額の修繕費がかかることが分かれば大きなトラブルになるかもしれません。

そこで中古物件の売買では住宅診断について説明する義務があると宅地建物取引業法に盛り込まれました。住宅診断が浸透することで買主が安心して購入できる仕組みが整えば、中古物件の再利用にも繋がるのではないかと期待されています。

契約時確認を義務化=中古住宅診断で法改正-国交省
国土交通省は10日、中古住宅を安心して売買できるよう、専門家が家屋の傷み具合を調べる住宅診断を促進する方針を決めた。売買の仲介契約時に、住宅診断を行うかどうかを売り主や買い主に確認するよう不動産仲介業者に義務付ける。今国会に宅地建物取引業法の改正案を提出、2018年の施行を目指す。

※引用:時事ドットコムニュース「契約時確認を義務化=中古住宅診断で法改正-国交省」

2.必ずホームインスペクションをする必要はない

住宅診断の説明義務化と不動産投資

ホームインスペクションの義務化がされるとはいっても説明義務なので、契約時に住宅診断というものがあることを説明し、その物件がインスペクションされているのかどうか、されていなければ診断を行なうかどうかを確認することが義務付けられるということです。

つまりホームインスペクションの説明義務化によって何か不動産投資に大きな影響があるわけではありません

またご経験のあるかたもおられるかと思いますが、不動産投資では優良物件がでてきたとしても直ぐに買い手がついてしまうものもあります。そのためこの制度はどちらかといえば不動産投資家へ向けたものというより、実需として自分が住むための住宅を購入されるかたへ向けた制度でしょう。

もちろん収益物件として購入する場合でも住宅診断で建物の状態を確認できるのは大きなメリットです。中古物件は前所有者が修繕やメンテナンスをどれほど行っていたのかで建物の状態は大きくかわるため築年数だけで判断できない部分もあります。

またRC造のマンションなどでよくある壁のヒビ割れ(クラック)ですが、これが深刻なものかどうか判断するには経験と知識が必要です。もしヒビ割れから雨水が侵入してしまい建物内に溜まれば広範囲で雨漏りが起こることもあるでしょう。ヒビが表面の化粧モルタル部分だけでなく内部まで到達しているものは“構造クラック”の可能性もあります。

「あとで予想外の修繕費がかかるのではないか」と不安なまま購入するよりも、専門家の住宅診断を通すことで安心して購入へと進めるなど、不動産投資をする上でも魅力的な仕組みです。

3.住宅診断だけで耐震性が分かるわけではない

住宅診断で欠陥(瑕疵)について判断できますが、耐震性までは判断できません。ここは良く間違うかたも多いポイントです。下記をご覧ください。

3-1.「住宅診断」は劣化や施行精度などを調査するもの

住宅診断とは専門家が建物の劣化具合や施工精度などをチェックし、長持ちさせるためのアドバイスを行うものです。耐震性についてのチェックは行いません。建物について総合的に調べたいというときに住宅診断を活用することが多いでしょう。

3-2.地震への耐性については「耐震診断」を利用しよう

耐震診断とは建物の耐震性をチェックし計算した結果を表すものです。

日本ではこれまで大きな地震を何度も経験してきており、建物の耐震性に不安を抱くかたも少なくありません。耐震診断によってその建物の耐震性がどの程度あるのかを客観的に知ることができ、耐震補強工事をするべきかどうかなどを判断する目安にもなります。保険会社にもよりますが耐震基準を満たす建物は地震保険の保険料が割り引きになることもあるようです。

このように住宅診断と耐震診断は全く違うものだということを知らずにいると、中古物件を購入したものの地震によって大きな被害を受けてしまうことも考えられます。住宅診断と耐震診断のどちらか一方だけではなく、総合的に判断するには二つをセットにして調査するとより正確な状態を知ることができるでしょう。

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