不動産投資の確定申告について

さあ確定申告だ!不動産所得の収支内訳書など要点をチェックしよう

不動産を購入した人は早めに準備をしておこう!

確定申告は去年の所得に対して課税額を決めるもので、原則3月15日までに納税まで完了させなければなりません。ここでは要点をチェックすること、そして書類の書き方や税額が合っているかなどを相談できる場所などを紹介しています。

不動産投資の確定申告について

たとえば「転勤のため一時的にマイホームを人に貸している」という方は少なくないと思いますが、この場合も不動産所得(家賃収入)を得ていることになるので、金額によっては所得税や住民税が課税されることもあります。

サラリーマンの場合、勤め先からの給与所得については会社側で行ってくれるため手間もかかりません。副業を始めるまで「確定申告などしたことがない」ということも普通です。慣れないからこそ、いざ申告直前になって慌てないよう早めに準備をしましょう。後述しますが、12月までに対策できれば課税額が変わることもあるのです。

もちろん手間を省きたいかたは専門家に任せてしまうのもいいですね。費用はかかりますが時間を節約するにはもってこい。不動産所得が1,000万円を超えたあたりから税理士へ委託したという方もおられるようです。

※参考:国税庁「不動産所得 第一表」

1.不動産所得は総合課税!副業の種類によって課税方法が違うわけ

副業といっても所得の種類は様々。たとえばネットオークションやアフィリエイトなどからの“雑所得”があるかと思えば、株式や不動産売買での“譲渡所得”というものもあります。アパート経営やマンション投資といった不動産投資での家賃収入は“不動産所得”ですね。

色々と種類があるのですべてを同じ方法で計算することはできず、それぞれ所得の種類に応じて課税方法も異なります。不動産所得では、給与所得など他の所得と合算し所得税や住民税を課税する「総合課税」で求めることになります。このとき合算した金額のことを「総所得金額」というので、合わせて覚えておきましょう。

また今回は不動産所得について記載していますが、不動産の売却で「譲渡所得」が出たかたは下記もチェックしてみてください。

2.不動産所得とは?なぜ経費で悩む大家さんが多いのか

不動産所得とは、アパートやマンション、駐車場、土地といった不動産を賃貸することで得られる利益のことで、「総収入金額」から「必要経費」を差し引いて求められます。不動産所得を計算するには、下記のような「収支内訳書」に昨年1年間の収入と支出を記入していきます。

確定申告で必要な収支内訳書の参考例 確定申告で必要な収支内訳書の参考例

※画像:税務署「平成25年分 収支内訳書(不動産所得用)の書き方」

ここで重要なポイントが経費です。たとえば年間1,000万円の家賃収入があった場合、この1,000万円すべてに対して課税されるのではなく、修繕費や仲介手数料、固定資産税、減価償却費といった諸経費を差し引いて残った金額に対して所得税などが課せられることになります。

「経費が多ければいい」というわけではありませんが、所得が大きければ課税額も増えるので、申請し忘れればその分を余計に支払わなければなりません。どうしても慣れないうちは“うっかり忘れ”が起きやすいので、早めに確定申告の準備をしておきたいところ。

また、早めに大まかな税額が分かると、来年に予定していた修繕を早めに行う、備品を購入するなど、経費をコントロールすることもできるでしょう。

ただしここで注意点がひとつ。備品購入などは直ぐにできますが、修繕や点検などは作業が始まるまで数日かかることもあります。確定申告は去年の所得に対して行なうものなので、12月中に行なうか1月に入ってから行なうかでは、意味がまるで違うのです。

余裕をもって行動し、遅くとも12月中旬までには動きたいところですね。

2-1.不動産所得が赤字のとき、土地の借入金金利を経費にできない

収支内訳書に記入するとき気をつけたいのが「土地等を取得するために要した負債の利子の額」です。

収支内訳書での土地の借入金金利について

基本的に支払い利息は経費として認められるのですが、不動産所得(収入から経費を引いたもの)が赤字になった場合は、不動産所得の赤字のうち「土地等を取得するための借入金の利子分」を必要経費として計上できません

[土地等を取得するために要した負債の利子の額]

⑮欄が赤字の方で必要経費に算入した金額のうちに土地等を取得するために要した負債の利子の額のある方は、その負債の利子の額を書いてください。

※引用:税務署「平成25年分 収支内訳書(不動産所得用)の書き方」

つまり不動産所得が赤字となったとき、経費の項目に記入した「借入金利子」から「土地等を取得するために借り入れた金額にかかる利子分」は引きますよ、ということです。

収支内訳書での土地の借入金金利について

黒字なら経費にできるので、まずは不動産所得が黒字になるのか赤字になるのかを計算しましょう。

3.赤字でも確定申告をしたほうが良いのか?

不動産所得が赤字になった場合でも確定申告をしておくと良いでしょう。

不動産所得は「総合課税」なので、給与所得など“他の所得”と“不動産所得”を合算するため総所得金額を小さくでき、所得税や住民税を抑えられるのです。

3-1.不動産投資で赤字になることはあるの?

不動産投資では減価償却費や仲介手数料など経費として計上できるものが多いので、ときには収入より経費のほうが多くなり「赤字」になることもあります。ただし不動産投資での赤字と、一般的につかわれる赤字とでは意味合いが少し異なるので、一概に悪い状態とは言えません

たとえば「減価償却費」は節税のために外せない費用ですが、これは実際にお金が出ていくわけではないのに経費として計上できるというものです。一口に「赤字」といっても失敗とは言えないわけはここにあります。ベテランの大家さんなどは経費をうまくコントロールしながら規模を拡大しておられます。

4.確定申告には白色と青色がある!貴方はどっち?

確定申告には「白色申告」と「青色申告」の2つ方法があります。方法によっては65万円の控除を受けられるなど違いがありますが、物件の規模などで受けられるかどうかが決まるので、ご自身がどの申告方法を使えるのかチェックしておきましょう。

白色と青色で大きく異なるポイントをご覧ください。

 白色申告青色申告(10万円)青色申告(65万円)
届出の必要なしありあり
特別控除の要件なし事業的規模ではない青色申告者事業的規模(5棟10室以上)
記帳、保管の義務あり(簡易簿記)あり(簡易簿記)あり(正規の複式簿記)
決算書作成なし
(※収支内訳書の作成あり)
貸借対照表、損益通算書の作成
(※一部未記入でも可)
貸借対照表、損益通算書の作成
(※全て記入)
専従者給与配偶者86万円まで
ほか50万円まで
妥当であれば金額の制限なし妥当であれば金額の制限なし
純損失の繰越しなしありあり

表からも分かりますが、白色申告は専従者への給与額などに制限があるものの、記帳が簡単な“簡易簿記”でも良いため、専門知識のないかたでも簡単に申告できるようになっています。

ただ青色申告ならば10万円か65万円の控除を受けられることを考えると、白色のメリットは小さいかもしれませんね。白色申告と青色申告については下記をご覧ください。

5.税務署職員に相談だ!書き方や税額のチェックもして貰える

ここまで要点だけをご紹介してきましたが、如何でしょうか?頭が痛くなってしまった方もおられるかもしれませんね。本業が忙しい方、物件を多くもつ方などは、税理士等へ委託してしまうのもよいでしょう。

ただ税金についての知識はあって損することはありません。確定申告は学ぶ絶好の機会なので、分からない点は専門家へ相談しながら挑戦してみるのも良いと思います。もし記入方法など分からないことがあった場合、税務署で教えてもらうこともできるので活用してみましょう。

ただし確定申告が近づくにつれて税務署も忙しくなります。いざ行ってみたら税務署職員への相談コーナーが混雑していてゆっくり聞けなかった等にならないよう早めに訪れましょう。収支内訳書などを自分で一通り書いてみて、税額計算などが合っているかを職員にチェックしてもらうこともできます。

※こちらも参考になります:国税庁「アパートや貸家の賃貸収入がある人」

5-1.税務署に書類を提出!渡された納税書に税額を記入して納税しよう

全ての書類を提出すると同時に納税書を渡されます。金額欄は空欄になっているので、確定申告書で算出した納税額を記入したのち、郵便局などで支払いましょう。

ここまでの作業を3月15日までに全て終わらせれば、今年の確定申告は完了です。税額にミスがあったり、経費を洗い出したりなどに時間を取られれば期日までに納税が終わらないことも。

もし期日を過ぎてから申告すると「無申告加算税」というペナルティが課せられることもありますし、期日までに納税したものの税額を間違え、本来納めるべき金額より少ない額を申告していた場合は「過小申告加算税」というものが課せられるケースもあります。

早め早めの行動こそが、一番簡単にできる節税方法ですね。

(※注)課税方法や税額など、より詳しい情報は税理士等の専門家へご相談ください。

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