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民泊で問題になる旅館業法ってなんだろう

旅館業法ってよく聞くけど何のこと?

旅館業とは「有料で人を宿泊させる営業行為」のことをいい、旅館業法の基準を満たし許可を得なければ営業できません。

有料なので友人を1泊部屋にとめるなどの無料で貸し出すケースは例外。たとえばホテルや下宿、民泊といったものが該当します。旅館業法の許可が必要な施設とは、これらの条件にあてはまるものです。

宿泊料を受けていること(法第2条)※ 宿泊料という名目で受けている場合はもちろんのこと、宿泊料として受けていなくても、電気・水道等の維持費の名目も事実上の宿泊料と考えられるので該当します。
寝具を使用して施設を利用すること(法第2条)※ 寝具は、宿泊者が持ち込んだ場合でも該当します。
施設の管理・経営形態を総体的にみて、宿泊者のいる部屋を含め施設の衛生上の維持管理責任が営業者にあるものと社会通念上認められること(厚生省生活衛生局指導課長通知 昭和 61 年 3 月 31 日衛指第 44 号「下宿営業の範囲について」)
※ 宿泊者が、簡易な清掃を行っていても、施設の維持管理において、営業者が行う清掃が不可欠となっている場合も、維持管理責任が、営業者にあると考えます。
宿泊者がその宿泊する部屋に生活の本拠を有さないことを原則として営業しているものであること(厚生省生活衛生局指導課長通知 昭和 61 年 3 月 31 日衛指第 44 号「下宿営業の範囲について」)

※参考:厚生労働省 旅館業法概要旅館業のてびき

いま話題になっている民泊は、外国人観光客など不特定多数に部屋を貸し宿泊料を受け取っているため、厳密にいえば旅館業法の認可をうけていないものは全て違法。ただし東京の大田区のような国家戦略特区で自治体も条例を定め民泊を認めている場合なら一定の条件を守ったうえで運用できるとされています。

旅館業法とは

違法となるのは、たとえば特区以外で空き家などを改築し民泊として活用しているようなケース。日本では民泊が登場してからの歴史が浅いので、法整備が追いついておらずグレーゾーンになっています。ルールなどが定まっていないので利用者の騒音やゴミ出し方法などで近隣住民から保健所に通報が寄せられることも珍しくありません。保健所も通報のあった物件を中心に対応していますが、人手不足などからなかなか進まず対応が困難な状態です。

2016年中に民泊の方向性が決まるので、内容次第では違法民泊が一気に摘発される可能性もあるでしょう。すでに2015年12月には東京都千代田区の会社役員ら3人が、外国人観光客を相手に無許可で民泊をし旅館業法に違反したとして警視庁より書類送検されました。海外では一般的な民泊サービスが日本に根をおろすには、立ちはだかる分厚い壁を突き破らなくてはなりません。

[※国家戦略特区とは]
日本経済の活性化や国際競争力を強化するため、国がエリアを限定して規制や制度を改革し、その効果をみるために指定している区域のこと。東京都全域、神奈川、千葉県成田市、大阪府、福岡、沖縄などが特区に指定されており、2014年5月に第1次指定が行われてからというもの2015年12月には第3次指定まで拡大している。

旅館業法には4つの種別がある

旅館業法は下記の4つにわけられます。また、ここでの“宿泊”とは寝具を使用して施設を利用することを意味します。

 ホテル営業旅館営業簡易宿所営業下宿営業
概要洋式の構造及び設備を主とする施設を設けてする営業である和式の構造及び設備を主とする施設を設けてする営業宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を設けてする営業1月以上の期間を単位として宿泊させる営業
参考例ビジネスホテル、観光ホテルなど。カプセルホテルは「簡易宿泊所営業」にあたる駅前旅館、温泉旅館、観光旅館の他、割烹旅館。民宿も該当することがあるベッドハウス、山小屋、スキー小屋、ユースホステルの他カプセルホテル学生寮など
客室数10室以上
(洋式客室を主体とする)
5室以上
(和式客室を主体とする)
多数人で共用しない客室の延べ床面積は総客室面積の半分未満
階層式寝台は2層で上下1m以上の間隔
1客室の床面積
(客室専用の浴室・便所・洗面所
も含む。)
洋式客室9㎡以上
和式客室7㎡以上
洋式客室9㎡以上
和式客室7㎡以上
3㎡以上
(合計で33㎡以上)
定員
(算出に使用する有効面積とは、
睡眠休憩に供する室内部分であり、浴室等は含まない。)
1名あたり3㎡を超える有効面積を確保する。 1名あたり3㎡を超える有効面積を確保する。 1名あたり1.5㎡を超える有効面積を確保する。
玄関帳場(フロント)等 宿泊者と面接できる3㎡以上の受付事務に適した広さの玄関帳場等を設ける。 宿泊者との面接に適した広さの玄関帳場等を設ける。
浴室 洋式浴室又はシャワー室を有する。入浴設備を有する。
(近接に浴場等の入浴施設がない場合)
入浴設備を有する。
(近接に浴場等の入浴施設がない場合)
入浴設備を有する。
(近接に浴場等の入浴施設がない場合)
暖房設備規模に応じた暖房設備を有する。
その他 ロビー及び食堂(レストラン)を有する。
宿泊者への食事の提供が可能ならば食堂の営業者はホテルの営業者と別
でも可。
飲食の提供を必要としない場合は調理場を設けなくてもよい。 宿泊者の履物を保管する設備を有する。
飲食の提供を必要としない場合は調理場を設けなくてもよい。

旅館業は都道府県知事や(保健所のある市や特別区では)市長か区長の許可を受けたものだけが合法で営業できます。ただしホテル営業や旅館営業、簡易宿所営業の“許可を受けた者”が、その施設の下宿営業を行うときは例外。また旅館業を営業しようとして申請をだしても、すべてが認められるわけではなく、施設の構造設備や公衆衛生上に問題があると判断されれば許可されません。

“民泊”は空き家などに大家さんなどが独自の判断でリフォームを施し、それを宿泊施設として貸し出しているものが殆ど。これらは政令で定める基準を満たしていないことも多く、いわば「違法貸し民泊」とも呼べる状態です。合法で民泊を運営しようと思うのであれば旅館業法に違反しない物件を用意し、正しく許可を得て営業する必要があります。

旅館業許可申請の手続きとは

旅館業を合法で営むには、下記のような手続きを行います。保健所のホームページでは「旅館業のてびき」も用意されています。必要な書類や詳しい流れなど確認されてください。また、行政書士によるサポートも受けられるので、手間を省きたい場合はお近くの事務所に連絡してみてはいかがでしょうか。

①事前相談(施設の平面図を用意)
②申請手続き
③関係機関への相談手続き
④施設の検査
⑤許可

許可申請時に必要な書類等施設完成後に必要な書類等
旅館業営業許可申請書(施設・構造設備の概要)建築基準法に基づく検査済証の写し(本証照合)
※ 施設完成後、検査時に確認
申告書(法第3条第2項に該当することの有無)
※該当する際はその内容を記載する
見取図(半径 300 メートル以内の住宅、道路、学校等が記載されたもの)
配置図、各階平面図、正面図、側面図
配管図(客室等にガス設備を設ける場合)
定款又は寄附行為の写し(法人の場合)
登記事項証明書(法人の場合)
※ 6 か月以内に発行されたもの(原本提出)
申請手数料
ホテル・旅館営業 30,600 円
簡易宿所・下宿営業 16,500 円

必要な書類は上記のとおり。見取り図や平面図など作成した経験がないかたも多いとは思いますが、ステップ1の段階で必要になるので用意しておきましょう。複雑な手続きで気が滅入りますが、リスクを回避するためにも民泊をご自身で始めようとされているかたは必ず申請しておかなければなりません。

また、運営してからのトラブルを防ぐためにも、利用者へのゴミ出しルールを通知する方法や、近隣住民のかたへの周知と理解を得ること、そして物件そのものが「又貸し不可」でないことなどをチェックしておく必要があります。又貸しとは、賃貸しているアパートの一室をつかって別のひとに貸し出すこと。この辺りについても事前に調べておくと安心です。「民泊で実際にあったトラブルや被害について」はこちらにも記載しています。

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