なぜワンルームマンションで設備競争が起きているのか

高額になる設備投資コストが負担になることも

ワンルームマンション(区分所有マンション)投資は一棟物件にくらべて少額から始められるので、小規模で始めたいかたから人気があります。ただ初期費用が安いとはいっても運用するなかでリフォームや修繕積立金の支払い、ローン返済、広告費などのコストが予想以上にかかるため、驚かれるかたも少なくないでしょう。さらに築年数が経つにつれ建物も老朽化しますから雨漏りや故障などで修繕費が高くなります。

空室になれば家賃収入がゼロになるわけですからコストを削ろうにも削れずキャッシュフローが悪化することもあるようです。家賃を下げなければ入居者が決まらない、しかし下げてしまえば修繕費の負担が重くなるばかりか売却時にも影響するため、十分にシミュレーションを行い慎重に判断しなければなりません。

今回は価格は魅力的でも設備投資などに悩まされることも多い“ワンルームマンション投資”についてみていきましょう。

1.家賃値下げは最終手段!?なぜ設備投資を先にするのか

ワンルームマンションで設備競争が起きている理由

主要な駅から近いなど優れた立地にあるものは例外ですが、基本的に建物というものは古くなるにつれて入居者が決まりにくくなります。そのため家賃を下げたり設備入れ替えたりと対策する必要があるのです。

しかし売却することを考えれば家賃を下げるのは考えもの。というのも、物件を探しているかたは価格だけでなく利回りも重視していますから、もし家賃を下げれば利回りまで下がってしまい、買い手が見つかりにくくなる恐れがあるためです。もちろん利回りを上げれば「買いたい」というかたは現れるでしょうが、そのためには売却価格を下げなければなりません。最終的に売却時の諸費用を差し引けば赤字だったということもありうるのです。

1-1.家賃を下げたことで売買益はどれほど変わるのか

1,000万円のマンションを家賃6万円から5万5,000円に下げ、利回りが10%になるようにし売却すると売却益(キャッシュフロー)にどれほどの違いが出るのかくらべてみましょう。

  • 家賃6万円のとき年間72万円 ⇒ 720万円
  • 家賃5万5,000円のとき年間66万円 ⇒ 660万円

5千円の値下げでも売却時には60万円もの差がでてしまいます。よくワンルームオーナーのかたが家賃値下げよりも先にリフォームや設備の見直し、敷金礼金の引き下げなどから始めるのにはこのような理由があるのです。

2.なぜマンション経営で設備投資が激しくなっているのか

家賃以外で魅力を出すにはリフォームや設備投資などが一般的です。区分所有では周辺には似たような間取りの競合物件が無数にありますし、同じ建物内であっても競争相手だらけ。それでも都心の人口が増加しているエリアなら賃貸需要は見込めますが、地方などは過疎化が進み需要が少なくなっているため設備投資をすることで入居付けしようとするかたも多いでしょう。

また、一棟とは違いワンルームマンションはエントランスなどの共用部に手を加えることが簡単ではありません。マンション全体で一定の合意を得なければなりませんから、個人でできる空室対策が室内リフォームや設備投資などに限られてしまうのが難点といえます。設備競争へ突入するのも何も不思議はありません。

ワンルームマンションで設備競争が起きている理由

たとえばビジネスホテルなどによくある3点ユニットはどちらかといえば人気がなく避けられる傾向にあるためトイレやバス、洗面台を別にすることも考えられます。ほかにも洗濯機置き場を外ではなく室内に変更し室内乾燥機も入れることや、インターネット通販を利用するかたが増えていることから不在時でも宅配物を受け取れるよう宅配ボックスを設置するなどもあります。

女性からの需要が高いセキュリティ設備についてもモニター付きインターホンを取り入れるなど、人気のあるもの、最新の設備などを導入しながら入居者募集を行なうケースもあります。

しかし、どれほど設備が充実していても周辺の相場とくらべて家賃が高すぎると入居付けは難しいですから、投資した金額を回収できるまでにかかる期間などを考えつつ慎重に進める必要があります。

3.付加価値をつけやすい一棟物件に切り替える投資家も

区分所有マンションでは空室対策が限られてしまいますが、一棟なら土地や建物をすべて一人のオーナー様が所有することになるため様々な戦略をとることができます。また、区分所有では空室になれば家賃収入がゼロになるところ、一棟では複数の入居者がいるため家賃が入らないということはまず考えにくいのです。つまり一棟物件のほうが空室リスクを回避しやすいということですね。

そのため最初に区分所有を購入したものの売却し一棟投資へと進むかたもおられます。

いまは区分所有マンションを活用して民泊を行なうかたもおられますが、下記でもご説明しているようにリスクがあることやビジネスとして参入しづらい点などもよく考えておかなければ、マンションの資産価値低下を加速させてしまいより一層売却が難しくなることも考えられるでしょう。

4.出口戦略にも影響あり!ローンを組んで購入できる一棟物件の魅力とは

ワンルームマンションで設備競争が起きている理由

中古の区分所有マンションではローンを組むことが難しくなります。新築ならば分譲会社によってはノンバンク系のローン会社と提携しているため融資を受けることもできますが、一般的な不動産業者では提携していないことも多く、とくに中古のワンルームマンションではローンを組めずに現金購入となることもあります。

言いかえれば売却をしようと思っても現金で購入できるかたが現れるのを待つことにもなりかねないということです。それでも立地や利回りに魅力があれば買い手が見つかる可能性も高いですが、全てのかたがそのような不動産を持っているとはかぎりません。

また区分では土地がなく建物のみとなるところも難しい問題です。そもそも土地には中古や新築ということは当てはまらず年数に関係なく資産として残りますが、建物部分は時が経つにつれて価値が下がります。老朽化が進み修繕費がかかる、さらに価値が低いとなれば、買い手が現れず売るに売れない状態となる場合もあるでしょう。

不動産投資を成功させるためには価格だけでなく様々な点を比較しながら判断しなければなりません。一棟物件か区分所有かさらに詳しくは下記でご紹介しています。

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