ゲストハウスの開業に必要な資格や許可とは

外国人旅行者の需要アップでゲストハウス経営の注目度もアップ

ゲストハウスとシェアハウスは同じような意味で使われることもありますが厳密にいえば違います。どちらかといえばドミトリーに近いでしょう。

後述しますがゲストハウスを開業するためには旅館業営業許可を得ることや、そのほか競合他社との差別化のために付加価値をつけるなど、様々な点に注意しなければなりません。簡単に参入することが難しい反面、今後のインバウンド需要拡大など大きなニーズがあることから、個人でもゲストハウス開業を目指すかたも増えているようです。

1.ゲストハウスとは短期利用の宿泊施設のこと

ゲストハウスとは

分かりやすくいえば、ゲストハウスとは“素泊まりの宿”のことで、旅行などの短期間の滞在で利用することが多いものです。いわゆる簡易宿泊所にあたります。そしてシェアハウスですが、これは“住まい”として1ヶ月や1年など長期間利用するものと考えるとイメージしやすいかと思います。

東京オリンピック開催や、観光立国の実現を目指す政府の方針などから、今後も外国人旅行者は増えるのではないでしょうか。

宿泊施設不足が叫ばれるなかで民泊なども注目されていますが、規制が定まっていないことや無許可民泊が広まったことによるイメージダウンもありますし、マンションのなかには民泊を禁止にしているところも増えています。また規制も“年間営業日数の制限”や“標識掲示”などが盛り込まれることがほぼ固まっていることから、民泊よりもゲストハウスを始めようとするかたも増えているようです。

そこで今回はゲストハウスを始めるうえで必要になる手続きなどをまとめてご紹介しております。

2.ただ安価な宿を提供するだけでは勝てない理由

ゲストハウスの開業に必要な資格や許可とは

ゲストハウスを利用する側にとって、最大のメリットは「安価で泊まれる」ということです。安く利用していただくために旅館やホテルのようにアメニティなどは基本的に置かれていませんし、部屋も個室ではなく二段ベッドが複数置かれているようなものが多くあります。

しかし、インバウンド需要を見込み多くの企業や投資家が参入してきているなかで、これまでのように安価な宿泊施設を提供するだけでは打ち勝てない状況になることも考えておかなければなりません。

これからはただ安く泊まれるというだけではない、プラスαのサービスなど魅力的な付加価値をつける必要があるでしょう。

2-1.競合が増えつづけるインバウンド市場

外国人旅行者をターゲットにした宿泊施設は民泊やゲストハウスだけではありません。たとえば今、稼働率の低いラブホテルが改装され、一般ホテルとして生まれ変わりつつあります

このような宿泊施設はほかにはない物珍しさもあり、低安価で提供されることなどから人気が出るかもしれません。

 政府は2020年東京五輪・パラリンピックを見据えたホテル不足の解消策として、全国的に稼働率の低さが指摘されるラブホテルの一般ホテルへの改装を促進する方針だ。改装のための融資申し入れに積極的に対応するよう政府系金融機関へ通知した。「問題解決に向けた有効打になる」(観光庁幹部)と期待している。政府筋が14日、明らかにした。

※引用:共同通信 2016/05/14 「ラブホを一般ホテルへ改装促進」より

ゲストハウスや民泊でも、単に安価で泊まれるというだけではないプラスαの魅力をつけることも必要になるでしょう。立地が良いなどの魅力がある場合を除き、宿泊料金の安さだけでは、これから競合が増えるにつれ厳しい価格競争に突入する恐れがあります。

3.ゲストハウス開業に必要な資格や許可について

ゲストハウス開業に必要な資格や許可について

ゲストハウスを始めるには旅館業の営業許可(旅館業許可)をとる必要があります

旅館業法の許可申請には手間がかかりますが、無許可で運営した場合には下記にもあるように旅館業法違反となり、処罰の対象になりますので、かならず営業許可は取りましょう。

第十条  左の各号の一に該当する者は、これを六月以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する
一  第三条第一項の規定に違反して同条同項の規定による許可を受けないで旅館業を経営した者
二  第八条の規定による命令に違反した者

※参考:旅館業法

3-1.消防法に基づく手続きも必要になる

また、防火対策なども行わなければなりません。というのも、旅館業の営業許可を申請するには「消防法令適合通知書」が必要になるためです。そして、この通知書を得るには、誘導灯や自動火災報知機の設置などを行った後に消防署へ相談し「消防法令適合通知書交付申請」を行うという手順を踏みます。

3-2.用途変更が必要なケースもある

始めからゲストハウスとして新築する場合は問題ありませんが、中古物件を購入してゲストハウスとして利用する場合は、その床面積が100㎡を超えるときは用途変更の手続きが必要になります

「用途」とは建築基準法で定められている建物の用途のことで、たとえば戸建てなら「住居」のようにそれぞれ定められています。

ある程度の広さがあれば付加価値をつけやすくなりますが、物件を選ぶときには100㎡を超えると用途変更が必要になるという点に気をつけておくとよいでしょう。

ゲストハウスの用途変更について

100㎡に満たない物件でもゲストハウスを開業できますが、スペースが狭いということはベッド数も少なくなるということです。

ゲストハウスの売上は「ベッド数×稼働率×客単価」となり、たとえばベッド数20で宿泊費を5,000円とした場合、稼働率100%なら売上は100,000円です。

ただし常時満室ということは考えにくいので平均稼働率を70%とした場合の一日あたりの売上は70,000円となります。そしてこの売上からローン返済や水道光熱費の支払い、そのほか清掃費用、人件費、ポータルサイトへの掲載料などを差し引き、さらに建物の修繕などに備えた修繕積立金を引くと、手残りは予想以上に少なくなるでしょう。

たしかに広ければランニングコストもかかりますが、単に用途変更を避けるためだけに100㎡以下の物件を選ぶというのではなく、高稼働率を見込める立地かどうかなどを総合的にみて慎重に検討することをオススメします。

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