不動産投資の節税効果

配偶者や子どもを役員にして節税できるのはなぜ?

法人だからできる不動産投資の節税方法がある

アパートやマンションなどの不動産を個人と法人のどちらで持つのかによって節税効果はまったく変わります。今回ご紹介するのは法人化している場合のケースですが、なぜ多くのかたが配偶者や子どもを役員にしているのかについてお話します。

知っているのと知らないのとでは、税額が大きく変わります。たとえば節税だけでなく役員報酬によって生前から資産を移転できるので、いざ相続税が発生するとなったときに備えられるというメリットもあるのです。

ただし間違った役員報酬の支払いによって納税額が増えることもあるので注意しなければなりません。また税額は条件によって変わることもあるため実際には税理士などの専門家へ相談しながら進めてください。

1.なぜ配偶者や子どもを役員にするのか

配偶者を役員にして節税できるのはなぜか?

配偶者や子どもなどの課税所得の低い家族へ役員報酬(給与)を支払うことで不動産所得を分散できるようになり、節税することができます。たとえば専業主婦の妻を代表取締役にして報酬を支払うケースなどが多いでしょう。

個人事業では自身に給与を支払うことはできないため不動産所得がそのまま所得になりますが、法人ならば給与を支払えるので損金として扱えるようになり節税できるのです。

  • 法人側:支払う役員報酬分が損金として扱われる
  • 受け取る側:給与所得控除が適用されるので、個人の税率次第では節税可能

ただし役員報酬の金額はあくまでも「妥当な報酬」が認められるとされているため、たとえば月に数回の清掃だけで100万円の給与などは税務署から否決される場合があります。この否決された金額は「贈与」として扱われてしまうので、あくまでも労働の対価として認められる水準を税理士との相談のうえで決める必要があります。

2.不動産所得を分散させることの具体的な節税効果とは

日本では所得が高くなるにつれて税率も上がる「累進課税」が採用されています。そこで夫の所得が妻よりも高い場合、妻に給与を支払うことで夫の税率が上がることを避けられるケースもあります。

具体的に計算してみましょう。下記は所得税の税率で、このほかにかかる住民税は一律10%(市民税6%、県民税4%)となっています。

課税される所得金額税率控除額
195万円以下5%0円
195万円~330万円以下10%97,500円
330万円~695万円以下20%427,500円
695万円~900万円以下23%636,000円
900万円~1,800万円以下33%1,536,000円
1,800万円~4,000万円以下40%2,796,000円
4,000万円超45%4,796,000円

もし夫の給与所得が700万円だった場合、かかる税率は33%です。そして不動産所得が300万円あったとすると税率は43%まで上がります。

  • 夫の税額:1,000万円×43%-1,536,000円=2,764,000円
  • 妻の税額:0円
  • (※所得控除を除く)

つまり夫に全ての不動産所得が入ることで税率が10%も上がり、税額は約277万円となる計算です。では次に、妻へ不動産所得300万円を報酬として支払う場合を考えてみましょう。

  • 夫の税額:700万円×33%-636,000円=1,674,000円
  • 妻の税額:300万円×20%-97,500円=502,500円
  • (※所得控除を除く)

この場合の税額は合計2,176,500円となり差額の約60万円を節税できることになります。役員報酬を上手く取り入れることで大きな節税効果があることがお分かりいただけるかと思います。ただし実際には所得控除などで税額が変わることもあるので、詳しくは税理士へとご相談ください。

また、このケースでは妻一人にのみ所得を分散していますが、一緒に暮らしている15際以上で働ける親族にも給与を支払うことができます。学生は不可などいくつかの条件はあるものの、税額を計算しながら節税効果を高めていきましょう。

3.役員にすることで扶養から外れるリスクもある

ただし専業主婦で夫の扶養に入っているかたなどは、この方法で社会保険の扶養を外れることもあります。よく言われる「103万円以上、または年収130万円を超える」かどうかがポイントになるので注意してください。

もし扶養から外れるほどの報酬を支払う場合は、ある一定以上の金額を支払わなければ節税効果が薄れてしまいます。この役員報酬を決める水準は難しいのですが、社会保険や所得税・住民税の支払いを考えれば400~500万円以上が一つの目安になるでしょう。

また不動産のオーナー自身が法人の社長になると他の家族役員よりも多い報酬を支払うことになるため、収入がオーナーに集中すれば法人での節税効果が薄れてしまいます。そこでオーナー以外のかたを代表にするなどで対策されるかたもおられます。この他にも不動産を法人で持つことで様々なメリットを得られますが、詳しくは下記でご紹介しています。

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