戸建て投資の管理方法

収益物件を選ぶときは「用途地域」に気をつけよう!

定められている「用途地域」で建物の用途が制限される

アパート・マンション・駐車場など、どのような不動産でも無計画に作れば都市は無秩序なものとなってしまいます。

そこで「用途地域」というものを設け、「この地域にはこのような用途での建物しか建てられない」など土地利用の基本的なルールに則ることになりました。たとえば「第一種低層住居専用地域」という用途地域にはホテルや旅館などを作ることができません。

もうお分かりかと思いますが、物件を選ぶ際にはこの用途地域がどのようになっているのかをしっかりと確認しておくことが非常に重要です。

1.用途地域の意味と種類について

冒頭でも説明していますが、もう一度「用途地域」の意味を確認しておきましょう。

◆用途地域とは?
住宅・店舗・工場・ホテルなど、建築できる建物の用途(種類)を定めたエリアのこと。
建物などを建築する際には「都市計画法」や「建築基準法」によって、その土地利用や建物の用途、規模などが規制されており、用途地域は「都市計画法」のなかで定められている。
種類は大きく分けて「住宅が集積すべき区域(7種)」と「商業用の建物が集積すべき区域(2種)」、そして「工業用の建物が集積すべき区域(3種)」の3つ、細かく分けて全12種類ある。そして都市計画による定めに従って、建築基準法による「容積率」や「建ぺい率」「高さ」「日影規制」といった建築規制が12種それぞれに定められている
用途地域の見直しは全国一斉に行われ、都市を取り巻く社会経済情勢などに応じて、おおよそ5年毎に行われている。

たとえば住居系の用途地域の一つである「第一種低層住居専用地域」では、住環境の保護のため工場やパチンコ店などを建てることができません。建てられるのは住宅や低層マンション、教育施設などに限られます。

反対に工業系の一つである「工業専用地域」では、どのような工場でも建てられますが、住宅や学校などは不可となっています。(※詳しくは下表参照)

1-1.用途地域の種類と容積率などの一覧表

用途地域は全12種類あり、それぞれの名称や建築できる建物例は下記のようになっています。見直しが行われることもあるので、最新の規制は各自治体へと確認してください。

用途地域の種類内容建築できる建物例建ぺい率(%)
(下の範囲から都市計画で具体的な数値を指定)
容積率(%)
(下の範囲から都市計画で具体的な数値を指定)
第一種低層住居専用地域低層住宅の専用地域戸建、低層マンション、教育施設、銭湯、併用店舗30、40、50、6050~200
第二種低層住居専用地域小規模な店舗の立地を認める低層住宅の専用地域「第一種低層住居専用地域」以外の小規模店舗30、40、50、6050~200
第一種中高層住居専用地域中高層住宅の専用地域マンション(4階建て以上)、大学、病院、中規模のスーパー30、40、50、60100~500
第二種中高層住居専用地域必要な利便施設の立地を認める中高層住宅の専用地域「第一種中高層住居専用地域」以外のもの、1500㎡以内の店舗30、40、50、60100~500
第一種住居地域大規模な店舗・事務所の立地を制限する住宅地のための地域大規模店舗、ホテル、飲食店、遊技場50、60、80100~500
第二種住居地域大規模な店舗・事務所の立地を一部制限する住宅地のための地域マンション、大規模オフィス、パチンコ店、自動車教習所50、60、80100~500
準住居地域自動車関連施設沿道サービス業と住宅が調和して立地する地域自動車関連施設50、60、80100~500
近隣商業地域近隣住民のための店舗、事務所などの業務利便の増進を図る地域近隣住民のための店舗、オフィス60、80100~500
商業地域店舗、事務所などの業務利便の増進を図る地域デパートや企業オフィス優先80200~1300
準工業地域環境の悪化をもたらすおそれのない工業の利便の増進を図る地域環境悪化の恐れのない工場。(住宅や商店など多様な建物も可能)50、60、80100~500
工業地域工業の利便の増進を図る地域工業の業務の利便の増進を図る。(大学や病院を除く住居は可能)50、60100~400
工業専用地域工業の利便の増進を図るための専用地域工業の業務の利便の増進を図る地域。どのような工場でも可能。(住宅、店舗、学校などは不可)30、40、50、60100~400

いきなり全てを覚える必要はありませんが、たとえば「旅館を建てたい」など具体的なイメージが定まっているかたは、用途地域の種類がどれになっていると認められるのか確認しておくとよいでしょう。

2.用途地域を調べる方法

用途地域を調べる方法は、各都道府県や市町村などのホームページ上で確認するか、住宅を購入しようとした際などは広告などに記載されていることがあります。広告では周辺の用途地域までは確認できないので、どちらも併せて見ておくとさらに安心です。

3.都市計画法と建築基準法の違いとは

ちなみに用途地域の説明内で「都市計画法」と「建築基準法」という言葉がでていますが、この違いについても併せてチェックしておきましょう。

都市計画法とは、簡単にいえば計画的な街づくりのための法律です。

そして建築基準法とは、住宅や学校などの建築物について安全性や衛生を確保し、尚且つ計画的な都市づくりと調和するための法律です。都市計画による定めに従って建物の構造や設備、容積率や建ぺい率の制限、用途制限が課されます。

都市計画法や建築基準法がなく、工場や住宅などが無秩序に乱立するようなことになれば、まず間違いなく騒音や汚染などの問題が起こり、とてもではありませんが「住みよい街」とは言えなくなります。そこで都市計画(住みよい街づくりのための計画)をたて、それを法律(都市計画法)で定め、建築基準法に沿った街づくりを行なっているのです。

3-1.日本の国土は5つに分けられる

街づくりをするとは言っても、市街地・山奥・無人島などで等しく行っても仕方ありません。そこで全国の土地を下記のように分け、計画的に街づくりを行えるようにしています。

【日本の国土の分類】
●都市計画区域:法令でしっかりと規制して街づくりを行なうべきエリア
●準都市計画区域:それほど厳しくする必要はないが全く野放しという訳にはいかないエリア
●両区域外:上記のどちらでもないエリア(山奥や無人島など)

日本はこの3つの区域に分けられているということですね。ただし更に詳しくみると、都市計画区域は「市街化区域」「市街化調整区域」「非線引区域」と3つに細分化されるので、実際には日本の国土は5つに分けられます

【都市計画区域】
●市街化区域:用途地域が定められている
●市街化調整区域:市街化を抑制されるエリア。原則として用途地域は定められない
●非線引区域:これらの線引きがされていないエリア

ちなみに「非線引区域」と「準都市計画区域」でも用途地域を定めることはできます。また「都市計画区域」は行政区画とは無関係に指定されるため、県境にまたがり指定されていることもあります。

聞きなれない単語が並び混乱してしまうポイントですが、先程もお伝えしたように全てを覚える必要はありませんので、購入を検討しているエリアがどの区域にあたるのか、どのような用途地域となっているのかなどを確認するなどで対策するとよいでしょう。

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