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民泊解禁でも採算がとれない理由とは?最新民泊ニュース

大幅な条件緩和!新制度で民泊はなにが変わるのか

(2016/05/20)営業日数条件について20日付で報道された最新情報、そのほか実際に民泊を3ヶ月間行った際の収支状況などを下部へ追記しました。

民泊について大きな進展がありました。政府は民泊を本格的に解禁する方針を固め、今秋以降に「民泊新法」を国会に提出するようです。

「民泊」を広げるため厚生労働省などは家主が同居していない場合でも管理者を置くことを条件に、旅館などと競合しないよう営業日数の制限を設けたうえで、「ホームステイ型」と同様に都道府県への届け出を行えば営業を認める方針を決めました。管理者は近隣とのトラブルの対応や宿泊者の名簿の作成などが義務づけられるということです。
厚生労働省と観光庁は今後、インターネットなどで仲介を行う業者への規制について検討することにしています。

※引用:NHKNEWSWEB 「民泊 管理者置けば届け出で営業可能に」

民泊の規制緩和

営業日数制限などを条件に、家主が不在のワンルームマンションなどでも管理者の登録がなされれば行政へ届け出ることによって営業ができるようになるとのこと。

つまりマンションを所有しているかたがインターネット上での簡単な手続きのみで、外国人旅行者などに部屋を貸し出せるようになるということです。これまで旅館業法の許可がネックで民泊を断念していたかたも参入しやすくなったといえるでしょう。

ただし日数制限によっては採算があわないことも考えられます。また要件が緩和されるということはライバルが増えるということでもあるので、慎重にシミュレーションを重ねる必要があります。

1.現行制度と新制度の比較一覧

下記は5月13日に行われた「『民泊サービス』のあり方に関する検討会」の第10回会合での内容をまとめたものです。

 現行法案(旅館業法)新制度(新法)
立地制限原則住宅地は禁止住宅地を含め全面解禁
建築改修が必要になるケースが多い一般住宅でもよい
手続き簡易宿所として事業登録が必要インターネットでの簡易登録が可能
受け入れ原則拒否はできない拒否も可能
宿泊制限なし年間宿泊日数の上限あり(検討中)

住宅地でも民泊ができることや、宿泊させたくないと思う場合は拒否できるなど、旅館業法とは大きく変わる部分が目立ちます。後述しますがインターネットでの申請時にはマイナンバーの提示も必要となるようです。

ホテルや旅館では基本的に宿泊を拒否できませんが、民泊では拒否できるというのも面白いところ。しかし、よく考えなければ口コミや評判が悪くなりその後の集客にも影響を及ぼすでしょう。

2.民泊物件には標識の義務付けあり

匿名の排除や安全性・衛生などを確保するため民泊をしていることが分かるよう見やすい場所に標識を掲示する義務が課せられるとのことです。

受け入れに関しては居住型・不在型ともに、利用者名簿の作成や備え付け、利用者に対する注意事項の説明、民泊と分かる標識の掲示などを求めることで、安全性や衛生を確保するとともに、匿名性を排除する。また、不在型については、住宅の提供者と管理者が一致しない場合などの責任の所在を明確化するため、管理者の業務として近隣からの苦情の対応業務を含めた。なお、居住型・不在型を問わず、違反があった場合には業務停止命令や登録の取消処分などの措置をおこなうことを検討する。

※引用:travelvision

マンションによっては民泊を禁止しており、隠れて営業している者がいないかを監視している場合もあります。規約違反となって契約解除になる恐れもあるため、マンションの方針も確認するようにしましょう。メリットとしては、標識掲示の義務化によってオーナー様が知らない間に“又貸し”される事態を防げるなどでしょう。

3.民泊は「年間30日」という日数制限がつく可能性も

民泊の規制緩和

今回の新法では年間営業日数や1日あたりの宿泊人数、延床面積制限を設けることが検討されています。

旅館やホテル業界団体らは「年間30日」と主張していますが、不動産業者からの「ビジネスとして成り立たない」という声もあり意見は対立。なかには「ビジネスとして採算性を求めるのであれば簡易宿所の営業許可をとるべき」との声もあがっており、営業日数の制限についての結論は出ていません。

しかし、もし年間30日という制限が設けられれば採算があわないので投資としては難しくなるでしょう。要件が大幅に緩和されたとはいっても、気軽に参入してよいほど簡単ではないようです。

4.民泊の営業許可を得るにはマイナンバーも必要

インターネットで都道府県に必要な書類を届けることで民泊ができるようになりますがマイナンバーの記載や、登録する仲介業者などを通知する必要があります

マイナンバーは個人のお金の流れをすべて把握し、税の不公平をなくすために導入された制度でもあるため、民泊からの利益についても把握しなければならないのでしょう。

今回、非常に大きな変化があった民泊規制ですが、まだまだ課題は多く残っています。とくに営業日数や人数制限などは収益にも大きく影響する部分ですから、民泊にご興味のあるかたは今後の動きについても注視しておくことをオススメします。

5.家主不在型では儲からない!?営業日数180日以下の難しさ

(※以下2016/05/20追記)

民泊の営業日数制限について新たな動きがありました。政府の規制改革会議は営業日数上限を「年間180日以下」とする条件を打ち出し安倍晋三首相に提出したとのことです。

「年間30日以下」から比べると大幅に拡大されたので、一見すれば民泊に参入しやすくなったかのようにもみえます。しかし、実際に営業していた闇民泊の収支をみると、180日以下の営業日数では民泊で利益を出すことが難しくなることが判明しているのです。

5-1.民泊でいくら利益がでたか?初期投資と月間投資の金額も掲載

下記をご覧ください。これは「ちんたい協会」が提供している、実際に3ヶ月間民泊をおこなった際の収支状況です。(※引用:ちんたい協会

この収支から分かるのは年間180日以下の制限がある場合、ビジネスとして参入できないということです。

場所訪日外国人旅行者が一番多く訪れる「東京・浅草」近郊の賃貸マンション(2LDK・65 ㎡)
基礎情報〔収容〕最大人数7 名 〔利用〕平均4 名
〔料金〕1.5 万円/日+追加1 名0.3 万円 〔平均〕2.4 万円/日
〔稼働〕平均16.7 日/月(稼働率:約56%)
〔設備〕ベッド、ソファーベッド、布団、ソファー、TV、備品等
(裏面「備品一覧」参照)
収入〔収入〕平均約40 万円/月
〔参考〕家賃収入の場合、26 万円(礼金含まず)
投資額
(計75.6万円)
〔初期投資〕約39.4 万円(礼金含まず)
内訳:備品36.4 万円、備品設置費用3 万円
注意:敷金(家賃1ヶ月分:26 万円)と原状回復費用を同額としてみなす
家財保険1.5 万円(2 年更新)は、賃貸の場合、入居者負担のため含まず
==========================
〔月額投資〕約36.2 万円
内訳:家賃26 万円、リネン5.5 万円、清掃3.4 万円、Airbnb 手数料1.3 万円
注意:Wi-Fi(0.4 万円)、水道光熱費(2.1 万円)は含まず(賃貸の場合は入居者負担)
結果●稼働日数 16.7 日/月(約 56%)の場合、月額投資(約 36.2 万円)を支払った後の残金 ⇒ 月額 3.8 万円の利益
●月額 3.8 万円の利益で初期投資(約 39.4 万円)を支払う ⇒ 11 ヶ月目に完済する
●年間 180 日(15 日×12 ヶ月)以下の稼働日数の制限がある場合 ⇒ 経営的観点からビジネスとしての参入は不可能

料金を上げることができれば黒字にすることもできるでしょうが、許可を取りやすくなったことで競合が増える可能性が高いため、値上げは慎重に行わなければなりません

民泊を成功させるにはいかに初期投資を抑え、競合との差別化をするかという点を考える必要がありそうです。

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