「配偶者控除の廃止」見送りと「150万円の壁」誕生!不動産投資への影響は?

配偶者控除の対象年収が150万円まで広げられる?不動産投資への影響は?

女性の社会進出を阻んでいるとして配偶者控除の制度見直しが囁かれていましたが、103万円から150万円へと対象年収が拡大される方針で本格的に議論が始まりました。

「配偶者控除の廃止」見送りと「150万円の壁」誕生!不動産投資への影響は?

不動産投資を事業的規模まで拡大し、法人化して運営されている場合、配偶者を役員にして役員報酬を支払っておられるケースも少なくありません。役員報酬によって利益を小さくできるので節税効果も高くなるというわけですね。配偶者の給与が103万円を超えないように調整していた方も多いかと思います。

今後、配偶者控除の対象年収が103万円から150万円に上がった場合、より節税効果アップを狙える可能性はあります。ただし気をつけておきたいのは社会保険料が自己負担になる「130万円の壁」です。ここを意識して役員報酬を設定することが重要になります。

不動産収入や規模は人によって全く異なるため、その人に合わせた対策が必要です。詳しくは税理士など専門家へのご相談をオススメします。それでは配偶者控除が今後どう変わっていくのか、最新の情報を確認しておきましょう。

1.配偶者控除はどう変わる?廃止から150万円の壁に変更される

配偶者控除の対象年収を150万円とする案が本格的に議論されています。従来の103万円の壁から大きく引き上げられる可能性が高まってきました。

自民党税制調査会は16日、パート主婦が年収103万円を超えても働きやすくするため、配偶者控除の年収上限を103万円から事実上引き上げる議論を本格化した。財務省が示した150万円まで引き上げる案などを検討する。減税枠を拡大する分は高所得世帯に配偶者控除の適用を制限する増税で財源を確保する。パート主婦減税を拡大すれば高所得者の増税世帯が増える構図だ。

※引用:日本経済新聞 2016年11月16日掲載 「配偶者控除150万円案、自民税調が議論開始 高所得層は増税に」

物価や給与などが少しずつ上がっている今、これまでのように103万円を基準としていては働きづらいとの声も上がっています。時代に合わない旧基準を見直すことで、女性の社会進出が進むのではないかと期待されているのです。

すでに専業主婦世帯よりも共働き世帯が多くなっている今となっては、配偶者控除の壁が大きなネックとなっており、「思うように働けない」「働き方をセーブするしかない」と悩むかたも少なくありません。

将来、子どもの教育費や住宅ローンの返済といった出費に備えて、できる限り働きたいと考える女性も多いのではないでしょうか。実際、社会保険労務士などに働き方について相談するかたが増えているとのことです。

もちろん「子どもが小さいうちは側にいてあげたい」「介護などで働ける時間も限られる」などのお悩みを抱えているかたもおられます。私たちの生活に深く影響する制度ですから、どのように見直されていくのか必ずチェックしておきたいところ。

また、後述しますが“不動産投資”のように、配偶者へ給与を支払える投資があることを知っているかどうかで、世帯間の所得格差が広がることも考えられます。たとえ同じ世帯収入でも、ゆとりある時間がどれほどあるかにも差があるでしょう。

よく不動産投資が「不労所得」と言われることもあるように、投資をしているかどうかで過ごす時間にも差が生まれます。恐らくですが、これからの日本では今以上に貯蓄から投資へと目が向けられるのではないでしょうか。

2.「150万円の壁」になると不動産投資へ影響はあるのか?

物件を複数所有している投資家のなかには、法人化されている方も少なくありません。“共働き世帯”とは少し意味合いが違いますが、配偶者に役員給与を払う際に「103万円の壁」を超えないように調整されている方もおられるでしょう。

この場合は「150万円」まで拡大されることで、今まで以上に節税効果がアップすることもありそうですね。

ただし注意しておかなければならないのは、社会保険料が自己負担となる「130万円の壁」です。扶養に入っている配偶者の年収が130万円(※注)を超えると扶養から外れ、社会保険料が自己負担となります。

もし役員給与を年収130万円から150万円ほどの範囲内で設定する場合、社会保険料が自己負担になり手元に残るキャッシュが少なくなることも考えられるので、思い切って給与を増やすという方法も考えられるでしょう。この辺りは節税を重視するのかや、夫も妻も不動産がある場合などの条件によっても対策は変わります。

(※注)年収が130万円以下でも勤務時間などによっては社会保険料が自己負担となるケースもあります。

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