東京都から全国へ!固定資産税の評価方法が見直しされる

ついに固定資産税の評価額見直しへ!課税ミスを防げるか?

東京都では建物の固定資産税の評価方法を見直すため総務省と調整にはいることが14日に報道されました。建築や不動産鑑定の専門家らが集まった「固定資産評価に関する検討会」が新設され、21日に都庁で初会合を開きます。

従来の方法はあまりにも複雑なため、税額を算定するのに年単位の時間がかかっていたことや、過徴収などの課税ミスが多発していたことなどから、より簡素で透明な評価方法に切り替える方針へと至ったようです。

また、固定資産税の評価方法は全国で一律に定められているため東京都のみが独自のシステムを取り入れることは難しくなっています。そこで総務省は評価基準を改正し2021年度から全国での導入を目指すとしています。

1.東京五輪へ向けての動きか?不動産投資にもメリットあり

東京都で固定資産税の評価方法が見直しされる

2020年の東京五輪を控え、東京都内では再開発が進められていますが、大規模ビルなどは建物の完成から固定資産税の評価が確定されるまでに最長で2年ほどかかるケースもあるとのことです。これでは再開発に支障をきたすのは明らかでしょう。

そこで今回の改正によって民間の都市開発が後押しされるのではないかという期待もあるようです。

これまでの複雑な方法からより簡単に税額を把握できるようになれば投資家にとってもメリットはあります。固定資産税は土地や建物などを所有している間は毎年課税されるわけですから、個人でも計算しやすくなれば課税ミスがあっても発見しやすくなるのではないでしょうか。

2.ミスがあっても気づきにくい従来の評価方法の問題点

固定資産税は納税者の申告によって税額が決まるわけではなく、市町村が税額を決定して納税者に通知される仕組みとなっています。そのため納税者は過徴収されたとしても気づきにくいという問題がありました。

たとえば2014年に起きた実例では埼玉県にお住まいのご夫婦が固定資産税を滞納していたということで自宅を差し押さえられ公売にかけられたのですが、公売後に長年に分かって過大に徴収していたことが分かっています。このときの原因は「住宅用地への軽減措置の適用」をし忘れていたということ。軽減措置があるかないかで評価額が3~6倍も変わるわけですから、いかに大きなミスだったかが伺えます。

東京都で固定資産税の評価方法が見直しされる

このような課税ミスは発覚していないものも多々あるとみられており、一部では「よくあるミス」とも言われています。自身で申告する方法であれば過徴収されたとしても気がつくでしょうが、固定資産税についてはミスがあっても分からずそのままの税額を毎年収めることになりかねません。

埼玉県新座市では3,000件もの土地や建物について過大徴収ミスがあったことが判明しており、市の担当者はそれまで誰一人として重大ミスに気が付かなかったとしています。この課税ミスで市が対象者へ返還する金額は、まだ調査中ではあるものの約8億4,000万円に上る見込みとのことです。

もしアパートなどの現在の所有者であれば返還を受けられるかとは思いますが、以前の所有者に対してはどのような対応をするのかなど難しい問題もあるでしょう。

3.メリットもあるがデメリットも!建物の評価額の複雑な算出方法とは

固定資産税の算定には実に複雑なステップを踏まなければなりません。下記をご覧ください。

 日本上海ロンドン、パリ、NY
方法再建築価格方式取得価格方式収益還元法
概要使用している資材の費用を積み上げる所有者が申告した取得額がベースとなる賃料収入など将来の収益見込みから算出する
メリット建物の価値を正確に把握できる簡素で理解しやすい市場価値に沿うことができる
デメリット●複雑で時間がかかる
●ミスが発生しやすい
個別事情で取得額が変動する懸念がある客観性担保が課題

固定資産税の評価額はこのように鉄筋や木材など使用されている建築資材の一つ一つを細かな分類にあてはめ、その価格を一点ずつ積み上げるという「再建築価格方式」と呼ばれる方法で算出しています。そしてここから導き出された評価額に1.4%の税率をかけた額が税額となり、毎年1月1日に不動産を所有している者に対して課税されます。

つまり評価額が間違えられるようなことがあれば、納税者に大きな影響が出てしまうということです。

残念なことに課税ミスは多々起きており、総務省も指導を強めていますが、根本的な問題が計算方法の複雑さにあることからミスは続いています。とくに近年の超高層ビルや高級ホテルなどでは、使用される資材は数万点にも及び、特別な仕様で判断が難しいものも増えてきているとのこと。このため評価が確定するまでに年単位の時間がかかることもあるのです。

また不動産投資では金額が大きくなりますし、たとえ年の途中で売買するとしても税額は「日割り」で計算され、売主と買主それぞれが所有している期間の固定資産税を負担するよう売買代金を調整することが多いので課税ミスは深刻な問題です。とくに東京での不動産投資は海外投資家からも注目されているので、このような問題は早期に解決するべきでしょう。

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