熊本地震で耐震基準の改正か?不動産投資への影響とは

もし変わればマイホーム購入や不動産投資への影響は避けられない

熊本地震により甚大な被害を及ぼし、多くの尊い命が失われました。改めまして亡くなられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災された全ての方に心よりお見舞い申し上げます。皆様の安全と被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

熊本地震では最大震度7という非常に大きな揺れとなり、家屋が倒壊し犠牲者が出た家屋は34軒ありました。

地震直後には「耐震基準の改正が行われるのではないか?」との見方も出ていましたが、この結果を受けて有識者委員会は「現行の耐震基準は有効である」との見解を示しました

1.熊本地震の調査に関する最新ニュース

熊本地震による新耐震基準の改正について

まずは報道された内容を確認しておきましょう。下記は熊本地震による建物被害の原因を分析していた有識者委員会(国交省)の見解です。

熊本地震調査 現行耐震基準は有効

 委員会は5月から議論を始め、3回目の今回が最終回となる。
 国交省によると、震度7を2回観測した熊本県益城町の木造建物1955棟を対象とした現地調査では、接合部に金具を使うなど具体的な方法が同省の告示で明示された00年以降の建物で、倒壊・崩壊したのは7棟(2.2%)。うち3棟は基準に照らして部材の接合部が不十分で、1棟は敷地の崩壊が原因、残り3棟は原因不明。
 1981年の新基準前の建物で倒壊・崩壊したのは27.9%。81年以降00年までの建物の倒壊・崩壊は8.7%。大きな建物被害があった同県西原、南阿蘇両村では00年以降の建物の倒壊・崩壊事例は確認されず、委員会は「旧耐震基準の建物について耐震化の一層の促進を図ることが必要」と求めた。

※引用:毎日新聞2016年9月12日掲載「熊本地震調査 現行耐震基準は有効」

また、平成12年に見直された現在の耐震基準の建物でも7棟が倒壊したことについて、被害の要因が確認されたのはこのうち4棟で、3棟は柱などの接合のしかたが不十分だったことが、1棟は敷地の崩壊が、それぞれ原因と見られるとしたうえで、現在の耐震基準は、木造の建物の倒壊などを防ぐ効果はあったと結論づけました

※引用:NHK NEWS WEB 2016年9月12日掲載「熊本地震を受けて報告書案 「さらに耐震化促進を」

この調査結果により、現行の耐震基準が見直される可能性は低くなりました

耐震基準法はこれからマイホームを建てようと考えていた方や、新築や築浅の収益物件を購入しようとする投資家の方などにとって非常に大きな意味を持つものです。現行法が有効という見解を受け、安心された方も少なくないでしょう。

ニュースでは「耐震基準」や「1981年」「2000年」などといくつかキーワードが出てきていますが、これについては下記で解説しています。

2.耐震基準とは?1981年6月に新耐震基準が施行された

耐震基準とは建築基準法で定められているもので、簡単にいえば建物がどれほどの地震の揺れに耐えられるかという能力を、等級1~3までの値で定めたものです。

等級3等級1の1.5倍の地震力でも倒壊や崩壊しない
等級2等級1の1.25倍の地震力でも倒壊や崩壊しない
等級1「建築基準法」とおなじレベルの建物。数百年に一度発生する大地震でも倒壊しない。
東京であれば震度6~7レベルの地震。

これまでにも関東大震災や十勝沖地震など大地震が起きる度に基準は見直されており、1978年の宮城県沖地震によって耐震設計法が大幅に見直されました。たとえ大震災がなくとも2006年の耐震強度構造計算書偽装事件(通称「姉歯事件」)をうけて2007年に“建築基準法”の改正が行われています。

1981年に現在の新耐震基準が施行されてからというもの、従来の基準とは異なり建物の倒壊だけでなく建物内の人間の安全性に主眼をおいた内容となっています。

この新耐震基準に基づく建物は阪神大震災においても被害を抑えられたため、収益物件やマイホームを購入する際には「1981年以前か以降」かが一つの重要なキーポイントになっているのです。

投資家のなかには新耐震基準に満たない物件は購入しないとする方もおられます。

(2-1)1981年6月の施行後に建てられたものは全て新耐震基準か?

1981年の施行以降から82年頃までに建てられるものは、新耐震基準と旧耐震基準のものとが入り混じっていますが、83年頃からはほぼ新基準に基づいているかと思います。

ただし工期の遅れなどがあれば改正をまたぐこともありますし、とくに分譲マンションのような大規模な鉄筋コンクリート造のものは82年以降でも旧耐震基準ということも考えられます。中古物件を購入する際は築年数だけでは判断するのではなく、その都度確認するようにすると安心です。

2-2.木造物件に大きく影響するのは1981年と2000年の改正

現在の新耐震基準が定められたのは1981年6月ですが、それからも法改正は進んでいます。なかでも木造物件にとって大きな転換期と言われているのは1981年と2000年の改正です。

2000年の改正は1995年に起きた阪神・淡路大震災を踏まえてのものですから、求められる耐震性能が厳格化されているのです。

物件にも鉄筋コンクリート造や木造など様々ありますが、木造はランニングコストの低さや修繕のしやすさなどから投資家にも注目されているものです。木造の中古物件を購入する際には2000年以降の耐震基準を満たすものかどうかなどまで確認するとよいでしょう。

いま、物件価格の高騰などから「築古戸建て住宅を現金買いする方法」なども注目されていますが、価格だけで決めるのではなく、購入後に耐震化を進めるための費用などまでシミュレーションしてから判断することをオススメします。とくに再建築不可のものの場合、地震や火災などで建物がなくなれば文字通り再建築できません。

その点、新築や築浅物件であれば耐震性についてはひとまず安心と考えられます。物件選びの基準は人によって全く異なりますが、このような点も注目しておくとよりローリスクな投資ができるでしょう。

(2-3)1981年と2000年で変わったポイントは3つ

1981年の改正では、震度5程度の地震に対して構造躯体に損傷を生じないことや、震度6~7程度の地震に対して倒壊・崩壊しないことなどが基準となっています。また木造住宅に対しては「壁量規定の見直し」の他に「構造用合板や石膏ボードなどの面材を張った壁の追加」、そして「床面積あたりの必要壁長さ、軸組の種類・倍率の改定」が行われています。

そして2000年には下記の3つの改正があり、木造住宅の耐震性に大きく影響を与えたのです。

以下、1981年と2000年の基準で大きく異なるポイント。

  • 新築時の地盤調査を義務化
  • 柱・梁などの接合部に金物を施工する
  • 耐力壁の配置のバランスを考慮する

1981年の新耐震基準に則った木造住宅は、2000年の改正以降に建てられたものに比べて地盤や耐力壁の配置、接合部の金物施工などに弱点があるかもしれません。

2000年5月以前に建てられた木造物件を購入する際は、事前に耐震診断を受け耐震補強を行なうなども考えておきたいところです。

3.防ぎようのない自然災害へのリスクヘッジ方法

自然災害へのリスク対策

不動産投資において地震や台風被害などの自然災害は防ぎようのないものです。

とくに日本は地震大国といわていますが、地震保険に入っていたとしても保険金額の全額がおりるわけではありません。だからこそ新耐震基準か旧耐震基準かはとても大きな意味を持っています。

もしかすると大家さんの中には火災保険や地震保険に加入していない方もおられるかもしれませんが、これほど全国的に地震が発生していることからも、保険に加入したり新耐震基準を満たす物件を購入したりと、ご自身でできるリスクヘッジを行うことは非常に大切ではないでしょうか。

3-1.中古物件の利回り低下と新築投資への移行

とくに今はマイナス金利の影響から、融資を受けやすくなっている部分もありますし、物件価格の高騰から中古物件を購入するメリットが薄れていますので、収益物件は築浅のものか新築するという方法も一案ではないでしょうか。

実は中古物件の統計データをみると、5年前とくらべて現在の利回りは3.4%も低下しているとのことです。

もし新築でシェアハウスを作った場合でも利回り8%などを狙えますから、中古ではなく新築や築浅のシェアハウス収益物件を探してみるのも一つの方法と言えます。

収益物件をお探しのかたは、まずはお気軽にお問合せください。その他、無料でのセミナーや個別出張相談も行っておりますのでお気軽にご利用ください。

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