RC造の解体費用

マンション建て替えが「3分の2合意」で可能になる

8割以上の合意から3分の2に要件引き下げ

国土交通省はこのたび都市再生特別措置法の改正案を提出。これまでマンションの老朽化などで建て替えをするためには、区分所有者の「5分の4以上の合意」が必要でしたが、この要件を緩和し、3分の2以上の合意があれば可能とする方針です。

政府は大型マンションや団地の建て替えに必要な所有者の合意の数を、現在の8割以上から3分の2へと引き下げる。都市部でのマンションや商業施設の建設といった再開発の際に、税優遇などを受けられる制度も拡充する。
(※日本経済新聞より

これまでのように8割もの合意となると、案がでてから10~20年も話し合いに時間がかかることも珍しくありませんでしたが、この改正案が正式に決まればマンションを建て替えたい住民側の意見が通りやすくなります。

マンションの老朽化

ただし話はそう簡単ではありません。そもそも昭和58年に国交省が“マンション標準管理規約”というマンションの管理に関する指針を出すまで、メンテナンスや管理といったことを一切していなかったところもあります。

10年20年ものあいだ外壁の塗替えどころか補修などなにも手を入れていない物件もあるでしょう。しかも住民の高齢化も進んでいるため5分の4から3分の2まで下がったとしても合意形成は難しく、まだまだ課題は山積みといったところ。

住み続けたい所有者 VS 建て替えたい所有者

しかも要件の引き下げということは、裏を返せば拒否しづらくなったということです。マンション一棟を建て替えるとなると、長期間にわたり住居を追い出されてしまうどころか費用の負担もしなければならない。

同じ区分所有者でも受験生の子どもがいる家庭、失業してしまい生活費を切り詰めている家庭、病気で高額な治療費が必要なかた、亡くなった家族と過ごした思い出の詰まった家を壊したくないかたなど、それぞれに色々な事情をかかえています。

大規模修繕などで数百万程度の一時金を支払うこともありますが、建て替え費用に比べれば可愛らしいもの。「費用をそれぞれ2,000万円負担してください」といって、そう簡単に「はい」と言えるひとばかりではありません。

区分マンションの建て替え

たとえば20代後半で結婚と同時にマンション購入。やっとローンを返済し終わったと思った矢先「耐震性に不安があるから建て替えをしよう」と寝耳に水の話が持ち上がり、また新しくローンを組むことになるかもしれません。

区分所有マンションは一棟所有とは違いほかの区分所有者の考え方で運用がまるで変わってくるのが辛いところ。

もし今のマンションよりも大きな建物にでき、住民の費用負担がかるく住むのなら話は変わるでしょう。しかし1970年台以降のマンションは容積率いっぱいに建ててしまっているので、もうこれ以上大きなものをつくれないばかりか、なかには今より小さくなってしまうケースもあります。費用を負担して小さくなるのでは堪ったものではないでしょう。何回も重ねられる審議は精神的にも肉体的にもかなりのストレスを与え、住民同士の関係も悪化する恐れさえあるのです。

区分所有マンションのメリット・デメリット

区分所有マンションは一棟にくらべて少ない金額で購入できるのが大きな魅力。なかには10%を超える利回りを狙えるものもありますが、実際には利回りを高くみせるために修繕積立金を少なく見積もられており、大規模修繕のときに一時金を支払わなければならなかったケース。ほかにも長いこと空室というワケアリ物件だから価格を下げて販売されていて、それで利回りが高くみえていたケースなどもあり、本当にお得なものを見つけられるひとは少ないでしょう。

しかも一棟物件のなかに多数の所有者(オーナー)がいるため、今回のような建て替えや大規模修繕を行うときのトラブルが心配なのは先程も伝えたとおり。それ以外にも地震などで建物が倒壊したとなると土地が残るわけでもないので、区分は価格が安いといってもリスクがあることを承知して購入しなければなりません。

「初心者が不動産投資を始めるなら区分から」というのはかなり省略した話。正しくは「初心者でも勉強し区分のリスクに納得してから練習するなら区分」というのが正しいでしょう。区分でも入居者がはいれば月々数万円の利益を生み出します。

一棟と区分所有マンション

もちろん一棟だからリスクが低いというわけではありません。区分にくらべて価格は高くなるので、レバレッジをきかせてローンをくみ購入できるといっても、そう簡単に決められるものではないと思います。

ただ一棟にはそれを上回る魅力があるのも確か。たとえば自分がオーナーになるので戦略を立てやすく、空室を埋めると高い利回りをえられること。そして出口戦略をたてて売却するとなったときも、自分の意思とタイミングで行動できるということ。うまくいけば購入したときよりも高く売れ、おおきな利益(キャピタルゲイン)を出せるという魅力は一棟投資ならでは。

さらに一棟投資であればシェアハウスの運営や民泊サービスを導入するときにも何かと便利。たとえばシェアハウスなら空室率が目立ついまの時代にも、空き待ちがでるほど人気の物件もあります。くわしくは「」をご覧ください。

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