東京23区で民泊はできるか?自治体ごとに規制が違うことも

国が規制を緩和しても自治体は条例改正の予定なし

4月から民泊についての規制が大きく緩和されたことをご存知でしょうか?

たとえばフロント(玄関帳場)がなくても営業許可を取れるようになりました。ほかにも5月下旬からは、民泊を行っていることが分かるように“標識”を見えやすいところに掲示すること、利用者名簿の作成や備え付けをすること、注意事項の説明をすること、などが盛り込まれています。

民泊の規制緩和内容

しかし、国の規制が緩和されたあとも各自治体が定めている条例ではフロント設置を義務付けていることもあり、まだまだ営業許可をとることが難しいのが現状です。

とくに東京23区では旅行者も多いことから民泊を始めたいかたも多いと思いますが、5月末の現段階で条例の見直しを検討しているところは非常に少ない状態です。それどころか、台東区では新たにフロント設置義務を加えるなど慎重な姿勢をみせており、国の規制緩和とは裏腹に要件を追加する自治体もあります。

▼条例の見直しを検討している自治体

 要件緩和予定検討中改正予定なし
東京23区杉並区大田区千代田区、中央区、新宿区、
文京区、台東区、世田谷区、
渋谷区、豊島区
都道府県北海道、群馬県、神奈川県、
岐阜県、愛知県、三重県、
奈良県、徳島県、高知県、
宮崎県
新潟県、島根県
政令市さいたま市、川崎市、新潟市、
静岡市、名古屋市、堺市、福岡市
札幌市、仙台市、横浜市、
京都市、大阪市、北九州市

国の規制緩和によって条例の見直しを検討している自治体もありますが、東京23区の多くの自治体では近隣トラブルや犯罪の温床になることなどを懸念してか当面の間は条例改正をしないとしています。

許可を得ないまま違法に営業をおこなっている民泊では、ゴミ出しルールや騒音など近隣トラブルが多発しており、もし自治体で営業許可を簡単に取得できるようになれば、さらにトラブルが増える恐れもあります。また既存のホテルや旅館などからの反対も考えられるため、自治体が慎重な姿勢をとるのも不思議はありません。

フロントの設置義務で違法民泊が減らない恐れも

マンションの一室などで民泊を行なうかたも多いと思います。許可を得るために「標識の掲示」のようなものはすぐに対応できますが、フロントの設置などは難しいところです。もしこのまま自治体が条例改正をしなければ、どれほど国が要件を緩和したところで営業許可をとることは難しいでしょう。もし要件を満たそうとすれば多額の設備投資コストがかかりますし、フロントを設置できるほどのスペースも必要になります。

場所訪日外国人旅行者が一番多く訪れる「東京・浅草」近郊の賃貸マンション(2LDK・65 ㎡)
基礎情報〔収容〕最大人数7 名 〔利用〕平均4 名
〔料金〕1.5 万円/日+追加1 名0.3 万円 〔平均〕2.4 万円/日
〔稼働〕平均16.7 日/月(稼働率:約56%)
〔設備〕ベッド、ソファーベッド、布団、ソファー、TV、備品等
(裏面「備品一覧」参照)
収入〔収入〕平均約40 万円/月
〔参考〕家賃収入の場合、26 万円(礼金含まず)
投資額
(計75.6万円)
〔初期投資〕約39.4 万円(礼金含まず)
内訳:備品36.4 万円、備品設置費用3 万円
注意:敷金(家賃1ヶ月分:26 万円)と原状回復費用を同額としてみなす
家財保険1.5 万円(2 年更新)は、賃貸の場合、入居者負担のため含まず
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〔月額投資〕約36.2 万円
内訳:家賃26 万円、リネン5.5 万円、清掃3.4 万円、Airbnb 手数料1.3 万円
注意:Wi-Fi(0.4 万円)、水道光熱費(2.1 万円)は含まず(賃貸の場合は入居者負担)
結果●稼働日数 16.7 日/月(約 56%)の場合、月額投資(約 36.2 万円)を支払った後の残金 ⇒ 月額 3.8 万円の利益
●月額 3.8 万円の利益で初期投資(約 39.4 万円)を支払う ⇒ 11 ヶ月目に完済する
●年間 180 日(15 日×12 ヶ月)以下の稼働日数の制限がある場合 ⇒ 経営的観点からビジネスとしての参入は不可能

※参考:ちんたい協会

初期投資を抑えなければビジネスとして成り立たないことは「日本に住みたい!外国人増加でシェアハウス需要が高まる理由」でもお伝えしたとおり。もし180日以下の営業日数制限となれば、フロントの設置義務などは大きな障壁になるでしょう。ちなみに4月以降に都内で許可を受けたものはゼロとのことです。

国が規制を緩和しても許可は取りづらい

民泊の営業許可が取りづらい理由

国が条件の緩和を進めても許可を出すのは自治体です。自治体が民泊に対して慎重な姿勢を崩さなければオーナー様が許可をとることはもちろん、民泊サービスを行なう業者も慎重にならざるを得ません。また、厚生労働省と観光庁の有識者会議では市町村条例などで民泊の営業を禁止できるようにするとの旨を6月中にまとめる報告書に明記します。

政府は住宅地でも民泊ができるようにする方針を出しましたが、地域によっては民泊を禁止したほうがいいことも考えられます。そこで自治体の判断で民泊を禁止できるようにするのでしょう。これから住宅地での民泊営業を考えておられるかたは、国の方針だけでなく各自治体での条例まで注視しておくことをオススメします。

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